一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科2(環境・設備) 問39

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科2(環境・設備) 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 冷却塔は、冷却水の蒸発による冷却作用を有効に利用するため、建築物の外気取入れ口に近い位置に計画することが望ましい。
  • リバースリターン方式は、往き管と還り管の流量が等しい循環配管系には適しているが、給湯管と返湯管で流量が大きく異なる場合には適さない。
  • 分流式下水道の区域において、雨水管の敷地境界部には、下水道本管からの害虫等の侵入防止を目的として、雨水トラップを設ける必要がある。
  • 空調用の蓄熱槽の水は、必要な措置が講じられている場合には、消防用水として使用することができる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1:建築物の外気取入れ口に近い位置に計画するのが誤りです。正しくは、風向などを考慮し、外気取入口、居室の窓等と冷却塔とを10m以上離します。これは夏のレジオネラ属菌の繁殖を防ぐためです。

2:設問通りです。
リバースリターン方式とは、ファンコイルユニットなどの各負荷機器を結ぶ配管長さ、配管抵抗をほぼ等しくすることで各管の管内循環流量を同一にすることができます。ゆえに、給湯管と返湯管で流量が大きく異なる場合には適していません。

3:設問通りです。
雨水排水管は、臭気、下水ガス、の逆流や害虫の侵入を防ぐために、Uトラップやトラップますのような雨水用トラップを設けます。

4:設問通りです。
蓄熱式空調システムは、一般に地下の空間を水蓄熱槽として利用しており、火災時の消防用水、災害時の生活用水にも使用することができます。

参考になった数17

02

正解は1です。

1.設問の記述は誤りです。
冷却塔は、レジオネラ属菌を防止するため建築物の外気取入れ口、居室の窓等から10m以上離します。

2.設問の通りです。
リバースリターン方式(逆還水)はファンコイルユニット等の各負荷機器を結ぶ配管の長さをほぼ等しくし、配管抵抗をほぼ同じにすることで、各枝管の管内循環量を同一にすることができます。

3.設問の通りです。
雨水排水管は、臭気・下水ガスの逆流・害虫の進入を防ぐため、雨水用トラップを設けます。

4.設問の通りです。
水蓄熱の場合、蓄熱槽は地下空間を利用します。蓄熱槽の水は消防用水、災害時の生活用水として利用可能です。

参考になった数6

03

この問題は、建築設備に関する複合問題です。

細かい内容を問われる問題が多いため、しっかり復習しておきましょう。

選択肢1. 冷却塔は、冷却水の蒸発による冷却作用を有効に利用するため、建築物の外気取入れ口に近い位置に計画することが望ましい。

誤りです。

冷却塔は、外気取り入れ口や居室の窓等から10m以上の離隔距離を確保しなければなりません。

冷却塔はレジオネラ菌が繁殖するのに最適な温度となるため、レジオネラ菌が外気等を介して冷却塔へ侵入することを防止するためです。

選択肢2. リバースリターン方式は、往き管と還り管の流量が等しい循環配管系には適しているが、給湯管と返湯管で流量が大きく異なる場合には適さない。

正しいです。

リバースリターン方式とは、ファンコイルユニット等で、往き配管と還り配管の長さが同じとなるように配管された方式です。

往き配管と還り配管で流量が大きく異なる場合には適しません。

選択肢3. 分流式下水道の区域において、雨水管の敷地境界部には、下水道本管からの害虫等の侵入防止を目的として、雨水トラップを設ける必要がある。

正しいです。

分流式下水道の区域において、雨水管は敷地外で下水道本管と接続されているため、害虫などの侵入を防止する必要があります。

そのため、雨水管の敷地境界部には、雨水トラップを設けなければなりません。

選択肢4. 空調用の蓄熱槽の水は、必要な措置が講じられている場合には、消防用水として使用することができる。

正しいです。

空調用の蓄熱槽の水は、必要な措置が講じられている場合には、消防用水として使用することが可能です。

参考になった数5