一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科2(環境・設備) 問40

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問題

一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科2(環境・設備) 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 微気候は、一般に、建築物や人体への影響が大きい地表面近くの気候、室内環境における建築部材付近や人体の皮膚付近の気候等をいう。
  • バスタブ曲線は、グラフの縦軸を故障率、横軸を時間とし、設備の信頼性や保全性の概念を示したものである。
  • 冷凍機に使用される代替冷媒のフロン( HFC )は、オゾン破壊係数は0(ゼロ)であるが、地球温暖化係数が高い温室効果ガスの一種である。
  • CASBEEの評価においては、BEEの値が小さいほど建築物の環境性能が高いと判断される。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1:設問通りです。
微気候は地面近くの気層の気候のことで、地表面の状態や植物群落などの影響を受けて、細かい気象の差が生じる気層を指します。
主に住環境において風通し、日差し、熱、温度などその地域の気候や風土を用いて暮らしをよりよくしていくための知恵として用いられます。

2:設問通りです。
バスタブ曲線は故障率曲線とも呼ばれ、曲線がバスタブの形状になっていることから、こう呼ばれています。
故障時期によって初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期に分かれています。

3:設問通りです。
フロンは、地球温暖化の抑制を目的に2015年のフロン排出抑制法によって、これまでの回収・破壊の規制に加え、製造から廃棄までの全体にわたる規制が行われるようになりました。

4:BEEの値が小さいほど建築物の環境性能が低いと判断されるので、誤りです。
CASBEE(Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency)とは環境負荷の軽減、環境品質・性能の向上の側面を含めた建築物の環境性能を総合的に評価するシステムです。その評価指標としてBEE(Building Environmental Efficiency)が用いられます。

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02

この問題は、環境・設備に関する問題です。

用語の問題が多い為、用語をしっかり理解していきましょう。

選択肢1. 微気候は、一般に、建築物や人体への影響が大きい地表面近くの気候、室内環境における建築部材付近や人体の皮膚付近の気候等をいう。

正しいです。

微気候とは、地面から1.5m程度の大気層の気候のことです。

体的には、室内環境における建築部材付近や人体の皮膚付近の気候のことを指します。

選択肢2. バスタブ曲線は、グラフの縦軸を故障率、横軸を時間とし、設備の信頼性や保全性の概念を示したものである。

正しいです。

バスタブ曲線とは、時間が経過することによる故障率をグラフ化したもので、設備の信頼性や保全性の概念を示しています。

選択肢3. 冷凍機に使用される代替冷媒のフロン( HFC )は、オゾン破壊係数は0(ゼロ)であるが、地球温暖化係数が高い温室効果ガスの一種である。

正しいです。

代替冷媒のフロン( HFC )は、地球温暖化係数が高い温室効果ガスの一種であり、地球温暖化への影響が大きいです。

選択肢4. CASBEEの評価においては、BEEの値が小さいほど建築物の環境性能が高いと判断される。

誤りです。

CASBEE評価におけるBEEとは、「建築物の環境品質・性能(Q)」を「建築物の外部環境負荷(L)」で除した値です。

BEEの値が大きいほど建築物の環境性能が高いと判断されます。

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03

正解は4です。

1.設問の通りです。
微気候は、狭い範囲を観測してまとめた気候のことです。建築物の周りの環境(地形、植物など)を変えることで、室内環境をコントロールしている建築物もあります。

2.設問の通りです。
バスタブ曲線は、グラフの縦軸を故障率、横軸を時間として表したグラフです。初期故障期間・偶発故障期間・摩耗故障期間の3つの期間に分けられています。

3.設問の通りです。
代替フロン( HFC )は、赤外線の吸収率が二酸化炭素の数百倍以上の温室効果ガスの一種で、地球温暖化への影響が大きいです。

4.設問の記述は誤りです。
BEEは値が大きいほど、建築物の環境性能効率が高いと評価されます。
BEE=建物の環境品質・性能Q / 建築物の外部環境負荷Lで評価されるため、Qが大きく、Lが小さいほど環境性能は高いです。

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