一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科3(法規) 問53

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問題

一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科3(法規) 問53 (訂正依頼・報告はこちら)

図のような木造、地上3階建ての住宅(屋根を金属板で葺いたもの)の1階部分について、桁行方向に設けなければならない構造耐力上必要な軸組の最小限の長さとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する区域内にあるものとし、小屋裏等に物置等は設けず、地方の風の状況に応じた「風圧力」に対する軸組の割増はないものとする。また、構造耐力上必要な軸組等の規定の適用の除外はないものとする。なお、図は略図とする。
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  • 1,610cm
  • 2,150cm
  • 2,415cm
  • 2,600cm

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この過去問の解説 (3件)

01

令第46条第4項により、構造耐力上必要な軸組は、地震力に対する必要な軸組(床面積×表2の値)と、風圧力に対する必要な軸組(見付面積×表3の値)の大きい方を採用します。桁行方向の最小限必要な軸組を求める場合は張り間方向の見付面積の数値を用います。

地震力に関しては、屋根を金属板で葺いた建築物、階数が3の建築物の1階かつ地盤が著しく軟弱な区域のため、表より46cm/㎡×1.5=69cm/㎡となります。よって地震力に対して必要な軸組の長さは、桁行方向・張り間方向ともに35㎡×69c㎡/㎡=2,415㎝です。

風圧力に関して、桁行方向の風圧力の算定であるので、南側見付面積から1.35m以下の部分を除いた面積(令第46条第4項)に同項表3の数値を乗じて計算します。南側見付面積は52㎡(5m×(1.35m+0.45m))=43㎡となり、よって必要な軸組の長さは43㎡×50cm/㎡=2,150cmとなります。

大きい方の値を採用するので、桁行方向の軸組の最小限長さは2,415cmとなります。

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02

正解は③です。

計算の手順は
[1]桁行方向の地震力に対する必要な軸組を算定する。
[2]桁行方向の風圧力に対する必要な軸組を算定する。

[1]令第46条第4項表2より
求める階の床面積に表2に該当する数値を乗じた数値以上の軸組である必要があります。

35m²(床面積)×46cm/m²(令第46条第4項表2の数値)×1.5(令第88条第2項の規定に適用する場合の割り増)
=2,415cm

[2]令第46条第4項表3より
求める階の見付面積(各方向の鉛直投影面積)からその階の床からの高さが1.35m「以下」の部分の見付面積をを減じたものに表3に該当する数値を乗じた数値以上の軸組である必要があります。

計算用見付面積
=52m²-5x(0.45+1.35)=43m²

43m²×50cm/㎡(令第46条第4項表3の数値)
=2,150cm


[1][2]を比較し必要量は
2,415cm
となります。

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03

正解は3です。

階数が2以上、又は延べ面積が50㎡を超える木造の建築物においては、令第46条第4項より、構造耐力上必要な軸組は、地震力に対するものと、風圧力に対するものを求めた数値の大きな方を採用することになります。

地震力に対する必要な軸組の長さは、令第43条表(2)より、令第46条の4表2から、床面積に表の数値を乗じます。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する区域内にあることから、地震力については令第88条第2項に該当するので、表2の数値の1.5倍とした数値を講じることになります。

つまり、46cm/㎡×1.5=69cm/㎡
床面積にこれを乗じて、地震力に対する必要な軸組の長さは、35㎡×69cm/㎡=2,415cmです。

風圧力に対しては、桁行方向における風圧力を計算します。令第46条第4項より、床面からの高さが1.35m以下の部分を除く、南側見付面積に表3の数値を乗じると、

南側見付面積は52㎡なので、5m×(0.45m+1.35m)=9㎡
             52㎡−9㎡=43㎡

表3より、43㎡×50cm/㎡=2,150cmとなります。

以上から、大きな数値を採用するので、2,415cmとなります。

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