一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科4(構造) 問90
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問題
一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科4(構造) 問90 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような杭基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 上部地盤が砂質土で地震時に液状化するおそれがある場合、各杭の水平抵抗力が低下しないよう地盤改良等の対策を行う。
- 上部地盤が粘性土で将来にわたって地盤沈下するおそれがある場合、各杭が地盤から突出する影響を考慮して杭の水平抵抗の検討を行う。
- 各杭の径が同じ場合、地震時に各杭が負担する水平力は杭長に応じて異なるものとして、杭の設計を行う。
- 各杭の長さが異なるので、地震時の杭の水平抵抗の検討のために、支持層の近傍で孔内水平載荷試験を行う。
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この過去問の解説 (3件)
01
上部地盤が砂質土で、液状化の恐れがある場合、杭の水平抵抗力が小さくならないように設計する必要があります。その対策として、地盤改良などが挙げられます。
2. 正しく、記述の通りです。
上部地盤が粘性土で、地盤沈下の恐れがある場合、杭が突出することを考慮して杭の水平抵抗の検討をする必要があります。杭が突出することで地盤の水平抵抗が減少し、杭の変形などにより上部構造に障害が起こらないように設計しなければなりません。
3. 正しく、記述の通りです。
支持層が傾斜していて杭径が同じ場合、各杭が負担する水平力は杭長に応じて異なります。これは、杭が長いほど変形しやすい、つまり剛性が小さくなり負担する水平力が小さくなるためです。
4. 誤りです。
孔内水平載荷試験とは、水平方向の地盤の強さを調べる試験です。ボーリング孔内で側壁に圧力をかけ、その変形を測定します。
支持層の近傍で行うのではなく、杭の水平抵抗力を検討するため、地盤の状況によって適切な深さで行います。
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02
2.正。正しい記述です。
3.正。杭径が同じでも、支持層が傾斜して杭長が異なる場合は、各杭が負担する水平力は異なる値となり、短い杭の方が多くの水平力を負担します。
4.誤。孔内水平載荷試験は、ボーリング孔の孔壁の地盤に圧力を加えて孔壁の変位を測定し、地盤の変形係数を求める試験です。調査深さは、杭頭から深さ5m程度、または杭径の5倍程度の位置で行います。
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03
1:設問通りです
地震時に地盤が液状化する可能性がある場合はその程度に応じて水平地盤反力係数(地盤かたさ、杭径に応じて決定する係数)を低減して杭の水平耐力の検討を行いますが、より安全側設計として液状化層の水平抵抗を無視して検討する方が望ましいです。
2:設問通りです
杭が地盤から突出すると地盤による水平抵抗が低減するので杭にかかる曲げモーメントが増大し、杭の変形が大きくなる事を考慮しなければなりません。
3:設問通りです
各杭が杭長以外同じ条件だとすると水平力分担は杭長に影響してきます。
杭長が短いほど杭の剛性が高くなるので分担率(受け持つ水平力)は大きくなります。
4:誤りです
孔内水平載荷試験は地震時における杭の水平抵抗の検討のためにおこなうものではありますが、
それは杭にかかる応力(曲げモーメント)が大きくなる杭頭近くの地盤(杭頭から5m付近または杭径の5倍程度)を調べるためのもので支持層の地盤を調べるものではありません。
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