一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科4(構造) 問99

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 誤りです。

鋼材の基準強度は、板厚や材質によって変わります。例えば、SN400材の場合、板厚40mm以下では235N/mm²、40mmを超えると215N/mm²。SN490材の場合、板厚40mm以下では325N/mm²、40mmを超えると295N/mm²となり、厚くなるほど基準強度は小さくなります。
設問に該当するのは、TMCP鋼であり、この鋼材は製造の際に、熱加工の温度を制御することで、冷却のムラをなくしたものです。そうすることで、板厚が厚くなっても同じ基準強度が保証されます。

2. 正しく、記述の通りです。

B種、C種ともに、溶接を伴う主要部材へ使うことを想定して造られています。C種はB種よりも厳しい製造管理の下で製造されており、板厚方向の伸び能力を高めています。これによって、鋼材同士の溶接部分などで、板厚方向に引張り応力がかかった時に表面に亀裂が入ってしまうラメラテア現象を防ぐ効果があり、ダイアフラムなどに用いられています。

3. 正しく、記述の通りです。

建築構造用冷間ロール成形角形鋼管BCR295は、厚さが12mm以上は、降伏点、耐力、降伏比の上限値を定めています。
降伏点又は耐力は、295N/mm²以上445N/mm²以下、降伏比は90%以下と定められています。

4. 正しく、記述の通りです。

建築構造用ステンレス鋼SUS304Aには、明確な降伏点が存在しません。
x軸方向をひずみ、y軸方向を応力度とした場合の歪み曲線を見たとき、緩やかなカーブ状で降伏点がはっきりとしないので、0.1%のひずみが残る点を降伏点として、その点を0.1%のひずみが残る応力度とします。これを0.1%オフセット耐力といいます。
これをもとに、基準強度が定められています。

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02

正解は1です。

1:誤りです
板厚が40mmを超えても、40mm以下の材と同じ基準強度が保証されているものは建築構造用TMCP鋼です。
通常鋼材は板厚が厚くなると降伏点が低下するため基準強度が低減します。

2:設問通りです
SN材のC種はA種やB種に比べて板厚方向の割れ性能が改善されており、C種はダイアフラムやベースプレートなど引張力が作用する部材に使います。

3:設問通りです
降伏比は降伏強度と引張強度との比によって求められます。
BCRは板厚が12mm以上になると、降伏点または耐力の下限値と上限値とともに降伏比の上限値も規定されております。

4:設問通りです
建築構造用ステンレス鋼はSUS304Aのほかに3種類あり、これらは明確な降伏点がありません。
したがって降伏点の代わりに0.1%耐力(オフセット法:鋼材の伸び率に応じて定められた計算方法によって求められる力を原断面積で除した値)が定められており235N/mm²と規定されております。

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03

1.誤。厚さ40mmのSN400B材の許容応力度の基準強度は235N/㎜²であり、厚さ40㎜を超え100㎜以下の同鋼材の基準強度は215N/㎜²であるため、異なります。

2.正。建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種は、塑性変形能力と溶接性が確保され、C種はさらに板厚方向の引張力に対する性能を加えたものとなります。

3.正。正しい記述です。

4.正。正しい記述です。

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