一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科5(施工) 問122

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問題

一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科5(施工) 問122 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、壁厚が厚い複配筋の既存開口壁を鉄筋コンクリートにより閉塞するに当たり、開口周囲に埋め込む「あと施工アンカー」の埋込み長さについては、特記がなかったので、10da(da : アンカー筋径)とした。
  • 枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、鉄骨枠と既存躯体との間にグラウト材(無収縮モルタル)を圧入したところ、圧入したグラウト材と既存躯体との間に3mmの隙間ができてしまったので、その隙間にエポキシ系樹脂を圧入した。
  • 鋼板巻き工法による柱補強工事において、二分割した鋼板を現場で一体化するに当たり、鋼板の厚さが6mmであったので、突合せ溶接とした。
  • 溶接金網巻き工法による柱補強工事において、溶接金網の継手を重ね継手とするに当たり、溶接金網の縦筋の間隔が100mmであったので、その継手長さを200mmとした。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1:10daが誤りです。
有開口増設壁の開口部補強筋の端部の定着を後施工アンカーによって行う場合は、開口補強の強度確保のために埋込み、長さを11da(da:アンカー径)以上とした接着系アンカーを用います。

2:設問通りです
グラウト材とは隙間に注入する材料の総称です。
鉄骨躯体と既存躯体との補修には、エポキシ樹脂製のグラウト材を用います。

3:設問通りです
鋼板巻き工法とは厚さ4.5~9mmの薄鋼板を角形鋼板や円形鋼板に巻き付け、隙間に高流動モルタルを充填する工法です。
突合わせ溶接を行う場合、鋼板の厚さは6mm以上とします。

4:設問通りです
溶接金網巻き工法とは、既存柱の外周部を60~150mm程度の厚さの鉄筋コンクリートまたは鉄筋補強モルタルで巻き立てて補強する工法です。

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02

この問題は改修工事に関する問題です。

覚える数値が多い分野となる為、繰り返し学習して覚えていきましょう。

選択肢1. 現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、壁厚が厚い複配筋の既存開口壁を鉄筋コンクリートにより閉塞するに当たり、開口周囲に埋め込む「あと施工アンカー」の埋込み長さについては、特記がなかったので、10da(da : アンカー筋径)とした。

誤りです。

既存開口壁を鉄筋コンクリートにより閉塞する工事に使用する「あと施工アンカー」の埋込長さは、特記がない場合11da以上とします。

選択肢2. 枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、鉄骨枠と既存躯体との間にグラウト材(無収縮モルタル)を圧入したところ、圧入したグラウト材と既存躯体との間に3mmの隙間ができてしまったので、その隙間にエポキシ系樹脂を圧入した。

正しいです。

枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、グラウト材を注入した後、グラウト材と既存躯体に5mm以下の隙間が発生した場合、エポキシ系樹脂を圧入します。

選択肢3. 鋼板巻き工法による柱補強工事において、二分割した鋼板を現場で一体化するに当たり、鋼板の厚さが6mmであったので、突合せ溶接とした。

正しいです。

鋼板巻き工法による柱補強工事において、鋼板の厚さが6mm以上の場合、二分割した鋼板を突合せ溶接にて接合します。

選択肢4. 溶接金網巻き工法による柱補強工事において、溶接金網の継手を重ね継手とするに当たり、溶接金網の縦筋の間隔が100mmであったので、その継手長さを200mmとした。

正しいです。

溶接金網巻き工法による柱補強工事において、溶接金網の継手は重ね継手とし、継手長さは溶接金網の鉄筋間隔に100mmを加えた長さ以上、かつ200mm以上とします。

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03

1.埋め込み長さについて、11da以上とします。

2.正しい記述です。

3.正しい記述です。

4.正しい記述です。

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