一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科2(環境・設備) 問21

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問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科2(環境・設備) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

環境工学における用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • PMVは、室内における人の温熱感覚に関係する、気温、放射温度、相対湿度、気流速度、人体の代謝量及び着衣量を考慮した温熱環境指標である。
  • 色温度は、光源の光色を、それと近似する色度の光を放つ黒体の絶対温度で表したものである。
  • 音響エネルギー密度レベルは、音のもつ単位体積当たりの力学的エネルギー量を、デシベル表示したものである。
  • 実効放射(夜間放射)は、地表における長波長放射収支であり、日中を除く夜間の「大気放射と地表面放射との差」のことである。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.〇
予測平均温冷感申告とも言います。
寒暖感をー3(非常に寒い)~+3(非常に暑い)までの温熱感段階で表し、-0.5<PMV<+0.5が快適とされています。この範囲はPPD(予測不満足者率)<10%とされています。

2.〇
設問通りです。
色温度「低→中→高」に対して、光色も「赤→橙→黄→白→青」と変化し、光の感じ方は「暖→中→冷」と変化します。

3.〇
設問通りです。
音響エネルギー密度レベルLE=10log(E/E0)
[E:観測値(J/㎡)、E0:基準値(J/㎡)]

4.×
実効放射(夜間放射)は、夜間のみだけでなく、日中も生じます。

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02

1 [正]
設問の通りです。
PMV(予想平均温冷感申告)は、大多数の人が感ずる温冷感の平均値を予測する温熱指標です。
「気温」「放射温度」「相対湿度」「気流速度」、人体の「代謝量」「着衣量」の6要素をもとに、人体の熱負荷に基づいて解析した複雑な式により、-3~+3の数値を算出し、その値で執務空間、生活空間の快適さを判断します。

2 [正]
設問の通りです。
色温度(K)は、光源の発する色を、それと近似する色度の光を発する完全放射体(理想的な黒体)の絶対温度で表したもので、補正されていない物理量です。

3 [正]
設問の通りです。
単位体積当たりの音のエネルギー密度はE(J/㎥)で表され、音響エネルギー密度レベルは次式のようなデシベル表示で表されます。
音のエネルギー密度レベル(EL) = 10log10 E/E0(dB)
E0:基準の音響エネルギー密度 = 2.94×10のマイナス15乗(J/㎥)

4 [誤]
実効放射(夜間放射)は、「下向き」大気放射と地表面放射との差を言います。
一般に快晴時には大きく、曇天時には小さくなります。
雲量が多いほど、また、雲高が低いほど、地表面放射が大気中の雲に吸収され、下向き大気放射によって地表面に戻されるため、夜間放射は小さくなります。

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03

1[正]
PMV(予測平均温冷感申告)は温度、湿度、気流、放射、代謝量、着衣量の温熱環境6要素を考慮した総合温熱環境指標です。-3から+3までの温熱感スケールで表されます。
2[正]
色温度は光源の出す光の色を、これと等しい光色を出す黒体の絶対温度によって表したものです。
3[正]
音響エネルギー密度レベルは設問の説明の通りです。
なお、レベル表示しないものは音響エネルギー密度(単位:J/㎥)で示します。
4[誤]
実効放射(夜間放射)は大気放射と地表面放射との差のことで、夜間に限ったものではないため誤りです。

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