一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科4(構造) 問71
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問題
一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科4(構造) 問71 (訂正依頼・報告はこちら)
図 − 1 のように、脚部で固定された柱の頂部に鉛直荷重N及び水平荷重Qが作用している。柱の断面形状は図 − 2 に示すとおりであり、N及びQは断面の図心に作用しているものとする。柱脚部断面の垂直応力度分布が図 − 3 のような全塑性状態に達している場合のNとQとの組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。
ただし、柱は等質等断面とし、降伏応力度はσyとする。
ただし、柱は等質等断面とし、降伏応力度はσyとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1です。
柱脚部には、Nによる軸圧縮力とQによる曲げモーメント M = Qh が作用し、図−3のような垂直応力度分布が得られます。この分布から以下のように考えられます。
図−3の垂直応力度分布のように、全断面が塑性化している場合、曲げモーメントMに寄与する部分と軸方向力に寄与する部分に分けて考える事ができます。
1)図−1において、曲げモーメントM、軸方向力Nを求めます。
M = Qh
N = N
2)図−3において、全塑性状態での曲げモーメントMを求めます。
T = C = 3a × a × σy = 3a2σy
3a2:フランジ断面積 σy:降伏応力度
M = T × j = C × j = 3a2σy × 3a = 9a3σy
1)より、M = Qh = 9a3σy
よって、Q = 9a3σy / h
3)図−3において、全塑性状態での軸方向力Nを求めます。
N = a × 2a × σy = 2a2σy
2a2:ウェブ断面積
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02
図のようにH鋼柱に水平力Qがかかる場合、フランジが柱の曲げを受け持ちますので左フランジ(図-3の左端からaの範囲)にQから受ける引張応力、右フランジ(図-3の右端からaの範囲)にQから受ける圧縮応力がかかります。したがって、軸力Nから受ける圧縮応力はウェブの部分(図-3中央2aの範囲)となります。
・軸力N(kN)は圧縮応力σy(kN/m²)に軸力を受けるウェブの面積(m²)の積によって求められます。
N=σy×2a²=2a²σy
・水平力Q(kN)を求めるにあたって、柱脚部にかかる曲げモーメントとの関係性M=Q×h=T×j=C×j(T:引張力C:圧縮力j:応力中心間距離、引張力と圧縮力の距離)を用います。
T,C(kN)は圧縮(引張)応力σy(kN/m²)に水平力を受けるフランジの面積(m²)の積によって求められます。
T=C=σy×3a²=3a²σy
T×j=C×j=3a²σy×3a=9a³σy
したがって、
Q=9a³σy/h
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03
この問題は、H型鋼に軸力Nとせん断力Qが作用しており、柱脚部の断面の垂直応力度分布が全塑性状態となった時の、軸力Nと水平荷重Qを求める問題です。
NとQを分けて計算することがポイントとなります。
柱脚部には、鉛直荷重(軸力)Nによる圧縮力と水平荷重(せん断力)Qによる曲げMが作用しています。
N = σy× 2a × a = 2a2σy
M = Q × h = Qh
Q = M / h
図−3を軸力とせん断力の場合に分けて計算します。
【軸力N】
N = σy × 2a × a = 2a2σy
【せん断力Q】
Q = M / h
M = T × (3 /2)a + C × (3/2)a
C = T は明確なため、
M = (3/2)・Ta + (3/2)・Ta = 3Ta
T = 3 × a × 3a × a ×σy = 9a3σy
Q = 9a3σy / h
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