問題
ただし、柱は等質等断面とし、降伏応力度はσyとする。
正解は1です。
柱脚部には、Nによる軸圧縮力とQによる曲げモーメント M = Qh が作用し、図−3のような垂直応力度分布が得られます。この分布から以下のように考えられます。
図−3の垂直応力度分布のように、全断面が塑性化している場合、曲げモーメントMに寄与する部分と軸方向力に寄与する部分に分けて考える事ができます。
1)図−1において、曲げモーメントM、軸方向力Nを求めます。
M = Qh
N = N
2)図−3において、全塑性状態での曲げモーメントMを求めます。
T = C = 3a × a × σy = 3a2σy
3a2:フランジ断面積 σy:降伏応力度
M = T × j = C × j = 3a2σy × 3a = 9a3σy
1)より、M = Qh = 9a3σy
よって、Q = 9a3σy / h
3)図−3において、全塑性状態での軸方向力Nを求めます。
N = a × 2a × σy = 2a2σy
2a2:ウェブ断面積
この問題は、H型鋼に軸力Nとせん断力Qが作用しており、柱脚部の断面の垂直応力度分布が全塑性状態となった時の、軸力Nと水平荷重Qを求める問題です。
NとQを分けて計算することがポイントとなります。
柱脚部には、鉛直荷重(軸力)Nによる圧縮力と水平荷重(せん断力)Qによる曲げMが作用しています。
N = σy× 2a × a = 2a2σy
M = Q × h = Qh
Q = M / h
図−3を軸力とせん断力の場合に分けて計算します。
【軸力N】
N = σy × 2a × a = 2a2σy
【せん断力Q】
Q = M / h
M = T × (3 /2)a + C × (3/2)a
C = T は明確なため、
M = (3/2)・Ta + (3/2)・Ta = 3Ta
T = 3 × a × 3a × a ×σy = 9a3σy
Q = 9a3σy / h