一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科4(構造) 問78

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問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科4(構造) 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

建築基準法における屋根葺き材に作用する風荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 屋根葺き材の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準は、建築物の高さにかかわらず適用される。
  • 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる「平均速度圧(q 以下画像参照)」については、気流の乱れを表すガスト影響係数Gfは考慮しなくてよい。 解答選択肢の画像
  • 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いるピーク風力係数Ĉfは、一般に、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合の風力係数Cfよりも大きい。
  • 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合と異なる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.〇

令第82条の4より、屋根ふき材、外壁材及び屋外に面する帳壁については、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって風圧に対して構造耐力上安全であることを確かめなければなりません。建物の高さは関係ありません。

2.〇

平均速度圧 q(N/㎡)= 0.6Er²V₀² です。

  Er:平均風速の高さ方向の分布を表す係数

  V₀:その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて30m/秒~46m/秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速

ガスト影響係数Gfは関係ありません。

3.〇

屋根面の周囲やコーナー部分の壁のピーク風力係数Ĉfは、構造骨組に用いる風力係数Cfよりも大きいです。

4.✕

屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合と同じです。よって誤りです。

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02

正解は4です。

1.設問の通りです。
屋根葺き材は、建物の高さに関わらず、風圧に対して構造耐力上安全であることを確かめなければなりません。(令第82条の4)

2.設問の通りです。
平均速度圧q(N/㎡)は次式で計算します。
q=0.6Er²V₀²
Er:平均風速の高さ方向の分布を表す係数
V₀:その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて30m/秒~46m/秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速

気流の乱れを表すガスト影響係数Gfは入っていないので、考慮しなくてもよいです。

3.設問の通りです。
局部的に大きな風圧力が作用するので、屋根面の周囲やコーナー部分の壁のピーク風力係数Ĉfは、構造骨組に用いる風力係数Cfよりも大きくなります。

4.設問の記述は誤りです。
構造骨組に用いる風圧力と屋根葺き材等に用いる風圧力は別に定められていますが、基準風速V₀は同じです。

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03

この問題は風荷重に関する問題です。屋根ふき材の耐風計算についてよく整理しておきましょう。

選択肢1. 屋根葺き材の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準は、建築物の高さにかかわらず適用される。

正しいです。

屋根ふき材の耐風計算は建築物の高さに関わらず適用します。

選択肢2. 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる「平均速度圧(q 以下画像参照)」については、気流の乱れを表すガスト影響係数Gfは考慮しなくてよい。 解答選択肢の画像

正しいです。

屋根ふき材の耐風計算に用いる平均速度圧qは次式によって求めます。

q=0.6Er2V02 (Er:平均風速の高さ方向の分布表す係数 V0:基準風速)

よって平均速度圧qはガスト影響係数Gfを考慮しません。

選択肢3. 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いるピーク風力係数Ĉfは、一般に、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合の風力係数Cfよりも大きい。

正しいです。

屋根ふき材の耐風計算に用いるピーク風力係数Ĉfは構造骨組の耐風計算に用いる風力係数Cfよりも大きい値となります。

選択肢4. 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合と異なる。

誤りです。

屋根ふき材の耐風計算に用いる基準風速V0は構造骨組の耐風計算に用いる基準風速V0同じ値となります。

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