一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科4(構造) 問80
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問題
一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科4(構造) 問80 (訂正依頼・報告はこちら)
木造軸組工法による地上 2 階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
- 既存の布基礎が無筋コンクリート造であったので、布基礎の外部側面に接着系のあと施工アンカーによる差し筋を行い、新たに鉄筋コンクリート造の基礎を増し打ちした。
- 基礎に不同沈下がみられたので、1 階の床組に火打ち材を入れ、1 階の床組の水平剛性を高めた。
- 1 階と 2 階の耐力壁の位置がずれて設置されていたので、2 階の床組の下地の構造用合板を梁及び桁に直張りして、2 階の床組の水平剛性を高めた。
- 屋根葺き材が日本瓦であったので、住宅屋根用化粧スレートに葺き替えて、屋根を軽量化した。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です。
1.〇
無筋コンクリート造布基礎の補強方法は、設問の通りです。
2.✕
不同沈下を抑えるには地盤補強が必要であり、床組の水平剛性は直接影響を与えません。
3.〇
耐力壁の位置がズレている場合は、床組の水平剛性を高める事は効果的です。
4.〇
耐震性を向上させるために、屋根材を軽量化することは効果的です。
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02
1.設問の通りです。
鉄筋コンクリート造布基礎を新たに打ち直すことが不可能な場合、設問の方法で補強します。
2.設問の記述は誤りです。
土台が基礎に緊結されている場合、1階床の構造は、建築物の耐震性には関係しません。
3.設問の通りです。
耐力壁が効率的に性能を発揮できるよう、床面の剛性・耐力を確保します。
4.設問の通りです。
屋根材を軽量化することで、建築物に作用する地震力を低減することができます。
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03
この問題は木造軸組工法による建築物の耐震性に関する問題です。耐震性を向上させるための基本的事項を整理しておきましょう。
基礎の外部側面に接着系のあと施工アンカーによる差筋を行い、鉄筋コンクリート基礎を抱き合わせることは耐震性向上に効果があります。
1階の床組の水平剛性を高めたとしても、不同沈下に対しては効果がありません。
1階と2階の耐力壁の位置がずれている場合、建築物に作用する地震力は2階の床を介して伝達されます。よって、2階床組の剛性を高めることは耐震性向上に効果があります。
屋根材の軽量化により、建築物全体の重量を軽くすることは耐震性向上に効果があります。
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