一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科5(施工) 問122

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科5(施工) 問122 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート造の建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鋼板巻き工法による柱補強工事において、鋼板の形状を角形としたので、コーナー部分の曲げ加工の内法半径については、鋼板の板厚の 2.5 倍とした。
  • 枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、既存の柱や梁に施す目荒しについては、電動ピックを用いて、平均深さで 2 ~ 5 mm 程度の凹面を、その合計の面積が打継ぎ面の 20 % 程度の面積となるように全体にわたって付けた。
  • 耐震壁を増設する工事において、コンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり、型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては、既存梁の下端から 10 cm 高い位置とした。
  • 既存壁の開口部を閉塞して耐震壁とする工事において、開口部周囲のはつり出した壁筋と新設の壁筋との継手については、無理に台直しを行わず、0.2 L(L:重ね継手の長さ)以下、かつ、150 mm 以下の隙間を開けた「あき重ね継手」とした。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1[誤]
鋼板巻き工法で角形の場合は角部に内法半径が板厚の3倍以上のアールを設けます。
設問では板厚の2.5倍となっているため誤りです。
2[正]
建築改修工事監理指針により目荒らし深さは平均2~5mm、最大5~7mm程度とし、目荒らし面積は15~30%程度とする必要があります。
3[正]
オーバーフロー管の流出先の高さは、必ずコンクリートの圧入高さより高くし、既存梁の下端の高さより5~10cm程度高くします。
4[正]
上下で鉄筋の位置が異なる場合あき重ね継手を用いることができます。あき重ね継手の鉄筋間隔は0.2L(L:重ね継手長さ)かつ150mm以下とする必要があります。

参考になった数18

02

正解は1です。

1.設問の記述は誤りです。
鋼板の形状が角形の場合は、角部に内法半径が板厚の3倍以上のアールを設けます。

2.設問の通りです。
既存の柱や梁に施す目荒しは、電動ピックを用いて、平均深さで 2~5㎜(最大5~7㎜)程度の凹面を付けます。また、目荒し面積の合計が打継ぎ面の15~30%程度の面積になるように全体にわたって付けます。

3.設問の通りです。
オーバーフロー管の流出先の高さは、既存梁の下端の高さより5~10㎝高くします。

4.設問の通りです。
開口部周囲のはつり出した壁筋と新設の壁筋との継手は、折り曲げると耐力が低下するので、あき重ね継手とします。間隔は0.2Lかつ150㎜以下です。(L:重ね継手長さ)

参考になった数12

03

この問題は鉄筋コンクリート構造の耐震改修工事に関する問題です。改修のイメージができるようになることがポイントです。写真や図を参考に繰り返し学習しましょう。

選択肢1. 鋼板巻き工法による柱補強工事において、鋼板の形状を角形としたので、コーナー部分の曲げ加工の内法半径については、鋼板の板厚の 2.5 倍とした。

誤りです。

既存柱への鋼板巻き工法において角形の場合、角部に内法半径が板厚の3倍以上のアールを設けなければなりません。

選択肢2. 枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、既存の柱や梁に施す目荒しについては、電動ピックを用いて、平均深さで 2 ~ 5 mm 程度の凹面を、その合計の面積が打継ぎ面の 20 % 程度の面積となるように全体にわたって付けた。

正しいです。

鉄筋コンクリート構造の既存の柱や梁の表面は平滑であるため、打継ぎ面に目荒らしを施す必要があります。目荒らしは電動ピック等で行い、平均深さ2~5mm程度の凹面を打継ぎ面積の15%~30%程度の面積となるように行います。

選択肢3. 耐震壁を増設する工事において、コンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり、型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては、既存梁の下端から 10 cm 高い位置とした。

正しいです。

コンクリートの圧入工法においてオーバーフロー管の流出先の高さは梁の下端から5~10cm程度高くします。

選択肢4. 既存壁の開口部を閉塞して耐震壁とする工事において、開口部周囲のはつり出した壁筋と新設の壁筋との継手については、無理に台直しを行わず、0.2 L(L:重ね継手の長さ)以下、かつ、150 mm 以下の隙間を開けた「あき重ね継手」とした。

正しいです。

あき重ね継手とは鉄筋同士が接触しない重ね継手であり、鉄筋同士の隙間は0.2L(L:重ね継手の長さ)、かつ、150mm以下とすれば通常の重ね継手と同等に扱うことができます。

参考になった数0