一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(構造) 問89
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問89 (訂正依頼・報告はこちら)
土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 土の含水比(土粒子の質量に対する土中の水の質量比)は、一般に、砂質土に比べて粘性土のほうが大きい。
- 飽和土は、土粒子の間隙部分が全て水で満たされている状態にある。
- 粘性土地盤において、粘土の粒径は、シルトの粒径に比べて大きい。
- 地盤の許容支持力度は、標準貫入試験によるN値が同じ場合、一般に、砂質土地盤に比べて粘性土地盤のほうが大きい。
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この過去問の解説 (3件)
01
土質及び地盤に関する問題です。
正
土の含水比は、土を構成する「土粒子」「水」「空気」の3つのうち、「水」と「土粒子」質量比となります。
一般に、細粒分(細かい土粒子)が多いと含水比は大きくなります。砂よりも粘土の方が細粒分が多くなるので、含水比も大きくなります。
正
飽和土とは、土粒子の隙間(間隙)が水で満たされて、「土粒子」と「水」の2つだけで土を構成している状態のことです。
また、飽和状態の砂になると、液状化の原因の一つになります。
誤
土粒子の大きさによって分類されます。大きいほうから並べると、以下の通りとなります。
①れき 2mm以上
②砂 2mm~0.425mm(粗砂) 0.425mm~0.075mm(細砂)
③シルト 0.075mm~0.005mm
④粘土 0.005mm~0.001mm
⑤コロイド 0.001mm以下
粘土の粒径はシルトより小さいです。
正
地盤の許容応力度は、N値が同じ場合、砂質地盤より粘性土地盤の方が大きいです。
N値から推定される項目は、以下の通りとなります。
砂質土・・・締まり方の程度、ヤング係数、地耐力、杭支持力
粘性土・・・硬軟の程度、各層の分布
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02
正解は「3」です。
1.正しい
粘性土とは、粘土やシルトなど粒径の小さな粒子を多く含む土のことです。
土の粒子の間には間隙と呼ばれる隙間がありますが、
粘性土は粒子が小さいため間隙が大きくなり、そこに水が入り込みます。
なので粒子の大きな砂質土に比べ、含水比が大きくなります。
2.正しい
飽和土とは、飽和度が100%の土のことです。
飽和度というのは土の中に含まれる水の体積を表し、
土中の水の体積÷土中の間隙(空気と水)の体積で表されます。
これが100%ということは土中に空気がなく、
間隙が全て水で満たされているということです。
3.誤り
シルトとは土粒子の一種で、粒径が0.074mm〜0.005mmのものを表します。
ここで重要なのは数字ではなく、
シルトの粒径は粘土より大きく、砂より小さい、ということです。
礫 > 砂 > シルト > 粘土 という大小関係を覚えておきましょう。
4.正しい
標準貫入試験は、重さ63.5kgのハンマーを760mmの高さから自由落下させ、
その直下にあるサンプラーが300mm貫入するまでの回数(N値)で
地盤の特性を調べる調査です。
砂質土の場合、地中に礫が多いためサンプラーがこれらにぶつかることで
実際以上に高いN値が出ることがあります。
従って同じN値だと粘性土のほうが許容支持力が大きくなります。
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03
1 正 感覚的にも、砂よりも粘土の方が水をよく含みますよね。
2 正 設問のとおりです。
3 誤 粒径は、粘土 < シルト < 砂質土 となります。
「シルト」は「粘土」と「砂質土」の間と覚えましょう。
4 正 想像してみると、逆に地耐力が同じ場合、砂質土の方が貫入しにくそうですよね。
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