一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科3(法規) 問10

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科3(法規) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 高さ31mを超える部分の階数が4以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計100m2以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は所定の特定防火設備で区画されているものには、非常用エレベーターを設置しなくてもよい。
  • 各構えの床面積の合計が1,500m2の地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとしなければならない。
  • 床面積の合計が50m2の住戸において、発熱量の合計(密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るものを除く。)が8kWの火を使用する器具を設けた床面積7m2の調理室には、0.7m2の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けた場合、所定の技術的基準に従った換気設備は設けなくてもよい。
  • 鉄骨造、延べ面積1,500m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗の売場においては、全館避難安全検証法により、全館避難安全性能を有することが確かめられた場合であっても、非常用の照明装置を設けなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、建築基準法に関する複合問題です。

難易度が高い設問もありますが、避難施設と換気設備の条文を理解していれば、得点できる問題です。復習をしっかりしておきましょう。

選択肢1. 高さ31mを超える部分の階数が4以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計100m2以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は所定の特定防火設備で区画されているものには、非常用エレベーターを設置しなくてもよい。

正しいです。

令第129条の13の2第三号に規定されています。

選択肢2. 各構えの床面積の合計が1,500m2の地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとしなければならない。

正しいです。

令第126条の3第1項第十一号により、各構えの床面積の合計が1000㎡を超える地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるようにしなければなりません。

選択肢3. 床面積の合計が50m2の住戸において、発熱量の合計(密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るものを除く。)が8kWの火を使用する器具を設けた床面積7m2の調理室には、0.7m2の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けた場合、所定の技術的基準に従った換気設備は設けなくてもよい。

誤りです。

令第20条の3第1項第二号により、床面積の合計が100㎡以内の住戸に設けられた調理室で、発熱量の合計が12kw以下で、当該調理室の床面積の1/10以上の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けた場合、所定の換気設備の設置は必要ありません。

ただし、有効開口面積が0.8㎡未満のときは0.8㎡とみなします。

選択肢4. 鉄骨造、延べ面積1,500m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗の売場においては、全館避難安全検証法により、全館避難安全性能を有することが確かめられた場合であっても、非常用の照明装置を設けなければならない。

正しいです。

令第129条の2第1項により、全館避難安全性能を有するものであることについて、全館避難安全検証法により確かめられたものについては、所定の規定が除外されますが、非常用の照明装置の設置は除外されません。

また、設問の建築物は、法別表第1(い)欄(4)項に該当するため、非常用の照明装置の設置が必要です。

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02

この問いは、建築設備に関する問題です。

選択肢1. 高さ31mを超える部分の階数が4以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計100m2以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は所定の特定防火設備で区画されているものには、非常用エレベーターを設置しなくてもよい。

正しいです。

高さが31mを超える建築物には、原則として、非常用の昇降機を設けなければなりませんが、高さ31mを超える部分の階数が4以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積100m²以内ごとに耐火構造の床または壁または所定の特定防火設備で区画されているものは、除外規定に該当するため設置しなくてもよいです。

選択肢2. 各構えの床面積の合計が1,500m2の地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとしなければならない。

正しいです。

各構えの床面積の合計が1,000m²を超える地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができます。

選択肢3. 床面積の合計が50m2の住戸において、発熱量の合計(密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るものを除く。)が8kWの火を使用する器具を設けた床面積7m2の調理室には、0.7m2の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けた場合、所定の技術的基準に従った換気設備は設けなくてもよい。

誤りです。

火気使用室には、原則として、所定の技術的基準による換気設備を設けなければなりません。除外規定のひとつに、小規模な住宅・住戸(床面積100m²以内)の調理室(発熱量12kW以下の器具を使用)で、換気上有効な開口部(床面積の1/10かつ0.8m²以上)を設けた場合がありますが、設問は開口部面積が最低限の0.8m²に満たないので、換気設備を設けなければなりません。

選択肢4. 鉄骨造、延べ面積1,500m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗の売場においては、全館避難安全検証法により、全館避難安全性能を有することが確かめられた場合であっても、非常用の照明装置を設けなければならない。

正しいです。

全館避難安全検証法により確かめられた場合、同条1項に列記されている規定は適用されません。非常用の照明装置(令126条の4)は、適用除外の規定には該当しないので、適合させなければなりません。

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