一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科3(法規) 問20

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科3(法規) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

病院に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、複合問題であり、条文を早めに引くことがポイントです。

選択肢1. 地上3階建て、床面積の合計が1,500m2の病院(国等の建築物を除く。)の所有者等は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

正しいです。

法第12条第1項、令第16条第1項第三号により、病院は定期報告を要する建築物に該当します。

よって、所有者は定期に、建築物の状況を特定行政庁へ報告しなければなりません。

選択肢2. 商業地域内の病院の病室(天窓及び縁側を有しないもの)の開口部の採光補正係数は、開口部が道に面していない場合であって、水平距離が4m以上であり、かつ、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じて得た算定値が1.0未満となる場合においては、1.0とする。

正しいです。

令20条第2項第三号ロに、規定されています。

選択肢3. 既存の地上5階建ての病院(5階における当該用途に供する部分の床面積の合計が1,600m2のもの)に設けた非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事の施工中に、当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。

誤りです。

法第90条の3により、令147条の2第二号に該当する建築物は、工事中における安全上の措置等関する計画の届出を要します。

しかし、令13条の2に該当する工事は、避難施設等に関する工事に含まれない軽易な工事に該当するため、法第90条の3の規定は適用されません。

選択肢4. 敷地が準工業地域内に400m2、工業地域内に600m2と二つの用途地域にわたる場合、当該敷地には、特定行政庁の許可を受けなければ病院を新築することができない。

正しいです。

法第91条により、建築物が2つの用途地域にわたる場合、過半の属する地域に関する規定を適用します。

また、工業地域に病院を建築することはできませんので、建築する場合は、特定行政庁の許可を受ける必要があります。

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02

届け出や報告については、幅広い場面を想定をしておくことが、この問題を解くポイントです。

選択肢1. 地上3階建て、床面積の合計が1,500m2の病院(国等の建築物を除く。)の所有者等は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

法12条1項より、病院は令16条1項の建築物に該当するため、報告しなければなりません。

選択肢2. 商業地域内の病院の病室(天窓及び縁側を有しないもの)の開口部の採光補正係数は、開口部が道に面していない場合であって、水平距離が4m以上であり、かつ、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じて得た算定値が1.0未満となる場合においては、1.0とする。

令20条2項三号ロより、水平距離が4m以上であり、かつ、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じて得た算定値が1.0未満となる場合においては、1.0とします。

選択肢3. 既存の地上5階建ての病院(5階における当該用途に供する部分の床面積の合計が1,600m2のもの)に設けた非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事の施工中に、当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。

法90条の3より、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければなりませんが、

令13条の2より、照明カバーの取替えの工事は軽微な工事の為、届け出は不要になります。

選択肢4. 敷地が準工業地域内に400m2、工業地域内に600m2と二つの用途地域にわたる場合、当該敷地には、特定行政庁の許可を受けなければ病院を新築することができない。

過半面積の工業地域内の規定になります。

法48条12項のただし書きにより、特定行政庁の許可を受けなければ病院を新築することはできません。

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03

この問いは、建築基準法の融合問題です。

選択肢1. 地上3階建て、床面積の合計が1,500m2の病院(国等の建築物を除く。)の所有者等は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

正しいです。

法12条1項において、「16条1項で定める特殊建築物」および「16条1項で定めるもの以外の特定建築物で特定行政庁が指定するもの」の所有者等は、定期に、一級建築士等に状況の調査をさせ、その結果を特定行政庁に報告しなければなりません。令16条1項三号により、法別表第1(い)欄(2)項の用途に供する建築物は、原則として定期報告が必要です。

選択肢2. 商業地域内の病院の病室(天窓及び縁側を有しないもの)の開口部の採光補正係数は、開口部が道に面していない場合であって、水平距離が4m以上であり、かつ、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じて得た算定値が1.0未満となる場合においては、1.0とする。

正しいです。

法28条1項、20条2項三号ロでは、商業系地域内の採光補正係数について説明しています。「採光関係比率✕10-1.0」の算定値で求めますが、算定値が1.0未満となった場合でも、開口部から隣地境界線などまでの水平距離が4メートル以上(道に面しない場合)あれば、採光補正係数は1.0とします。

 

選択肢3. 既存の地上5階建ての病院(5階における当該用途に供する部分の床面積の合計が1,600m2のもの)に設けた非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事の施工中に、当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。

誤りです。

5階以上の床面積が1,500平方メートルを超える病院の「避難施設等に関する工事」の施工中において建築物を使用する場合、建築主は、あらかじめ「工事中における安全上の措置等に関する計画」を作成して特定行政庁に届け出なければなりません。ただし、非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替え工事は、法7条の6第1項および令13条の2により「避難施設等に関する工事」に含まれない軽易な工事に該当するため、届出は不要です。

選択肢4. 敷地が準工業地域内に400m2、工業地域内に600m2と二つの用途地域にわたる場合、当該敷地には、特定行政庁の許可を受けなければ病院を新築することができない。

正しいです。

敷地が2つの用途地域にわたる場合は、敷地の過半が属する用途地域の規定が適用されます。したがって、設問の敷地は工業地域の規定となり、病院は特定行政庁の許可を受けなければ新築することができません。

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