一級建築士 過去問
令和4年(2022年)
問80 (学科4(構造) 問10)

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 問80(学科4(構造) 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

木造軸組工法による地上2階建ての建築物の壁量の計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

<改題>

建築基準法施行令等(令和7年4月1日施行)により、筋交いと構造用合板を併用した耐力壁など「高い耐力を有する壁」の壁倍率上限が5.0から7.0へ引き上げられました。これに伴い元となる設問文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。

<参考>

  • 壁量充足率は、各側端部分のそれぞれについて、存在壁量を必要壁量で除して求める。
  • 筋かいを入れた壁倍率2.5の軸組の片面に、壁倍率4.7の仕様で構造用合板を釘打ち張りした耐力壁は、壁倍率7.2として存在壁量を算定する。

  • 平面が長方形の建築物において、張り間方向と桁行方向ともに必要壁量が地震力により決定される場合、張り間方向と桁行方向の同一階の必要壁量は同じ値である。
  • 風圧力に対する必要壁量を求める場合、見付面積に乗ずる数値は、1階部分と2階部分で同じ値を用いる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、木造軸組工法の建築物の壁量計算に関する問題です。

風圧力と地震力の必要壁量の求め方の違いをしっかり理解しましょう。

選択肢1. 壁量充足率は、各側端部分のそれぞれについて、存在壁量を必要壁量で除して求める。

正しいです。

壁量充足率は、「存在壁量」を床面積に対する「必要壁量」で除して求めます。

選択肢2.

筋かいを入れた壁倍率2.5の軸組の片面に、壁倍率4.7の仕様で構造用合板を釘打ち張りした耐力壁は、壁倍率7.2として存在壁量を算定する。

誤りです。

構造用合板と筋交いを併用した耐力壁は、それぞれの倍率の和とすることができますが、壁倍率の最大値は7.0となります。

※改正前の規定では倍率の上限は5倍でしたが、上限を引き上げ、軸組を併用した場合の倍率は最大7倍となりました。

選択肢3. 平面が長方形の建築物において、張り間方向と桁行方向ともに必要壁量が地震力により決定される場合、張り間方向と桁行方向の同一階の必要壁量は同じ値である。

正しいです。

地震力による必要壁量は、該当階数の床面積に所定の数値を乗じて求めます。

よって、張り間方向と桁行方向では、必要壁量は同じ値となります。

選択肢4. 風圧力に対する必要壁量を求める場合、見付面積に乗ずる数値は、1階部分と2階部分で同じ値を用いる。

正しいです。

風圧力に対する必要壁量は、その階の見付面積から、その階の床面からの高さが1.35m以下の部分を除いたものに、所定の数値を乗じて求めます。

所定の数値は、異なる階数であったとしても、同じ値を用います。

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02

【ポイント】木造軸組工法の建築物の壁量計算に関する問題では、風圧力と地震力に対する必要な壁量の計算方法の違いが重要です。

選択肢1. 壁量充足率は、各側端部分のそれぞれについて、存在壁量を必要壁量で除して求める。

正しいです。

壁量充足率は

「存在壁量(m)」÷床面積に対する「必要壁量(cm/㎡)」

で求めます。

選択肢2.

筋かいを入れた壁倍率2.5の軸組の片面に、壁倍率4.7の仕様で構造用合板を釘打ち張りした耐力壁は、壁倍率7.2として存在壁量を算定する。

誤りです。

 

構造用合板と筋交いを併用した耐力壁は

それぞれの倍率の和とすることができます。

しかし、壁倍率の最大値は7.0となるため、この設問の場合

 2.5 + 4.7 = 7.2≧7.0→7.0

となります。

※改正前の規定では倍率の上限は5倍でしたが、上限を引き上げ、軸組を併用した場合の倍率は最大7倍となりました。

選択肢3. 平面が長方形の建築物において、張り間方向と桁行方向ともに必要壁量が地震力により決定される場合、張り間方向と桁行方向の同一階の必要壁量は同じ値である。

正しいです。

 

地震力に対する必要壁量は

 各階の床面積 × 床面積に対する所定の数値

 

となります。

 

所定の数値は

地震力の場合は階数が異なる場合、異なる数値を用います。

選択肢4. 風圧力に対する必要壁量を求める場合、見付面積に乗ずる数値は、1階部分と2階部分で同じ値を用いる。

正しいです。

 

風圧力に対する必要壁量は

 当該階の見付面積(当該階床面から高さ1.35m以下の部分は除く) × 見付面積に対する所定の数値

 

となります。

 

所定の数値は

風圧力の場合は階数が異なる場合であっても、同じ数値を用います。

まとめ

法規にも関係する部分です。

合わせて覚えましょう。

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03

木造軸組工法の建築物の壁量計算に関する頻出問題です。

風圧力と地震力の必要壁量の考え方の違いをしっかり理解しておくことが、問題を解くポイントになります。

選択肢1. 壁量充足率は、各側端部分のそれぞれについて、存在壁量を必要壁量で除して求める。

正しいです。

設問の通り、壁量充足率は「存在壁量」を床面積に対する「必要壁量」で除して求めます。

選択肢2.

筋かいを入れた壁倍率2.5の軸組の片面に、壁倍率4.7の仕様で構造用合板を釘打ち張りした耐力壁は、壁倍率7.2として存在壁量を算定する。

誤りです。

構造用合板と筋交いを併用した耐力壁は、それぞれの倍率の和とすることができますが、壁倍率の最大値は7.0までとなります。

※改正前の規定では倍率の上限は5倍でしたが、上限を引き上げ、軸組を併用した場合の倍率は最大7倍となりました。

選択肢3. 平面が長方形の建築物において、張り間方向と桁行方向ともに必要壁量が地震力により決定される場合、張り間方向と桁行方向の同一階の必要壁量は同じ値である。

正しいです。

地震力による必要壁量は、該当階数の床面積に所定の数値を乗じて求めます。

張り間方向と桁行方向の同一階の必要壁量は同じ値となります。

選択肢4. 風圧力に対する必要壁量を求める場合、見付面積に乗ずる数値は、1階部分と2階部分で同じ値を用いる。

正しいです。

風圧力に対する必要壁量は、その階の見付面積の床面からの高さが1.35m以下の部分を除いたものに、所定の数値を乗じて求めます。

この数値は、異なる階数であったとしても、同じ値を用います。

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