一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科2(環境・設備) 問12
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問題
一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科2(環境・設備) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 冷水パネルを用いた放射空調方式は、気流や温度むらによる不快感が少ない方式であるが、パネル表面の結露を防止するため、パネル表面温度を室内空気の露点温度以上に保つ必要がある。
- 床吹出し空調方式は、冷房運転時であっても、空調域の高さに応じた気流特性を有する床吹出し口を用いることにより、天井高にかかわらず効率的な居住域空調が可能である。
- リバースリターン方式は、ダイレクトリターン方式に比べて、冷温水配管のスペースを縮小することができる。
- デシカント空調方式は、コージェネレーションシステムと組み合わせることによって、排熱の利用が可能となるので、コージェネレーションシステムの総合効率の向上に寄与することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は空気調和設備に関する問題です。
それぞれの空調方式の特徴をしっかり理解する必要があります。
正しいです。
冷水パネルを用いた放射空調方式は快適性や省エネルギー性に優れた方式ですが、パネル表面の結露対策としてパネル表面温度を室内空気の露点温度以上に保つことが必要です。
正しいです。
床吹き出し空調方式は熱や汚染空気を上部空間へ押し上げるシステムが特徴的です。
空調域の高さに応じた気流特性を有する床吹出し口を用いることによって、天井高にかかわらず効率的な居住域空調が可能です。
誤りです。
リバースリターン方式とは各負荷設備を結ぶ配管長さをほぼ等しくし、配管抵抗を同等とする方式です。
ダイレクトリターン方式に比べて配管が1本余分に必要であり、冷温水配管のスペースは大きくなります。
正しいです。
デシカント空調方式とは、乾燥剤で吸着により除湿を行うため過冷却する必要がなく効率のよい空調システムです。
コージェネレーションシステムと組み合わせることにより、排熱の利用が可能となり、総合効率の向上に寄与することができます。
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02
空気調和設備に関する問題です。
正しいです。
冷水パネルを用いた放射空調方式は
気流や温度むらによる不快感が少なく、快適性や省エネルギー性に優れた方式ですが、パネル表面の結露を防止するためパネル表面温度を室内空気の露点温度以上に保つことが必要です。
正しいです。
床吹出し空調方式は
熱や汚染空気を上部空間へ押し上げる特徴があります。
空調域の高さに応じた気流特性を有する床吹出し口を用いることにより、天井高にかかわらず効率的な居住域空調が可能になります。
誤りです。
リバースリターン方式は
同一系統の各負荷機器を結ぶ配管経路の長さをほぼ等しくし、配管抵抗を同等とする方式です。
ダイレクトリターン方式に比べて、配管が1本余分に必要なため、冷温水配管のスペースが大きくなります。
正しいです。
デシカント空調方式とは
乾燥剤で吸着により除湿を行うため過冷却する必要がなく効率のよい空調システムです。
コージェネレーションシステムと組み合わせることにより、排熱の利用が可能となり、コージェネレーションシステムの総合効率の向上に寄与することができます。
各空調方式の特徴を学習しましょう。
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03
この問題は空気調和設備に関する問題です。
正解です。
放射空調方式は、天井面や床面のパネルを冷却、加熱して冷暖房を行う方式であり、放射を利用するため気流や温度むらが少なく不快感が少ないです。潜熱負荷は除去できず、冷房時にパネル表面温度を下げすぎると表面が結露するため、パネル表面温度を室内空気の露点温度以上に保つ必要があります。
正解です。
床吹出し空調方式は、暖房時は床面から温風が吹き出されるので、居住域での上下温度差が生じにくく、快適で効率的な空調が可能です。また、冷房時は床面から冷風が吹き出されるので、一般に居住域での上下温度差が生じやすいですが、床上1.8mを超える高さまで到達したのち空気の密度差で下降する気流特性を有する床吹出し口を用いることにより、天井高にかかわらず効率的な空調が可能です。
誤りです。
リバースリターン方式は、ポンプに最も近い機器を還り管の上流、遠い機器を下流として順に接続していき、折り返す方式です。機器ごとの「往き管と還り管の合計長さ」を等しくし、配管抵抗をほぼ同じにして流量を均一にできる。往き管と還り管の流量が等しい循環配管系には適していますが、配管の延長が大きくなり、配管スペースや設備費が増加します。
デシカント空調方式は、除湿剤等を用いて潜熱を効率よく除去することが可能であり、潜熱と頭熱とを分離処理する空調システムに利用できます。除湿剤等の吸水能力を維持させるためには、吸水した除湿剤等を加熱し、水分を蒸発させる必要があります。そのためにコージェネレーションシステムにおける発電時の排熱等を有効利用でき、総合効率を向上できます。
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