一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問6

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

次の架構のうち、静定構造はどれか。
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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は構造物の判別に関する問題です。次の判別式によって判別します。

m=(n+s+r)-2k

m=0の場合、静定構造物

m>0の場合、不静定構造物

m<0の場合、不安定構造物

n:反力数(支点反力の数の和)

s:部材数

r:剛節接合部材数(剛接合された部材の数から1を引いた数)

k:節点数(自由端、支点、節点の合計)

選択肢1. 解答選択肢の画像

n= 3 s=5 r=2 k=5 

m = (3+5+2) -2×5 = 10-10 = 0 m=0

により静定構造物です。

選択肢2. 解答選択肢の画像

n=5 s=4 r=0 k=4 

m = (5+4+0)-2×4 = 9-8 = 1 m>0に

より不静定構造物です。

選択肢3. 解答選択肢の画像

n=3 s=4 r=0 k=4 

m = (3+4+0)-2×4 = 7-8 = -1

m<0により不安定構造物です。

選択肢4. 解答選択肢の画像

n=4 s=3 r=2 k=4 

m = (4+3+2)-2×4 = 9-8 = 1

m>0により不静定構造物です。

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02

構造物は不安定構造物と安定構造物に分けられ、

安定構造物はさらに静定構造物と不静定構造物に分けられます。

不安定構造物は、その名の通り不安定で、

押すと移動したり変形したりする構造物です。

静定構造物は、力のつり合いにより反力や応力を求めることが出来る構造のことで、

片持ち梁や単純梁などのシンプルな構造が特徴です。

不静定構造物は、力のつり合い条件だけでは

反力・応力を求めることができない構造物のことです。

不静定構造物の反力・応力を求めるには力のつり合い条件に加えて、

変形に関する条件も必要です。

不安定・静定・不静定の判別をするためには、

不静定次数の公式「m=n+s+rー2k」を使います。

m<0であれば不安定、m=0であれば静定、m>0であれば不静定です。

ここで、nは反力数、sは部材数、

rは剛接合(力が加わっても回転しないようにしっかり接合)されている部材数、

kは支点と節点の数を示します。

反力数nについては、固定は3、ピンは2、ローラーは1と数えます。

この式を使って問題を解いていきましょう。

選択肢1. 解答選択肢の画像

n:左側の支点はローラーなので1,右側はピンなので2,合計3

s:5

r:2

k:5

m = n+s+rー2k=3+5+2-2×5=0 

静定

選択肢2. 解答選択肢の画像

n:左側の支点は固定なので3,右側はピンなので2,合計5

s:4

r:0

k:4

m = n+s+rー2k=5+4+0-2×4=1 

不静定

選択肢3. 解答選択肢の画像

n:左側の支点はローラーなので1,右側はピンなので2,合計3

s:4

r:0

k:4

m = n+s+rー2k=3+4+0-2×4=-1 

不安定

選択肢4. 解答選択肢の画像

n:左側の支点は固定なので3,右側はピンなので2,合計5

s:3

r:2

k:4

m = n+s+rー2k=5+3+2-2×4=2 

不静定

まとめ

この構造物を判別する問題は一見難しそうに思うかもしれませんが、

不静定次数の公式「m=n+s+rー2k」を覚えていれば確実に点が取れる問題です。

この公式を忘れないようにしてください。

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