一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問7
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問題
一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物の基礎の底部の直下の地盤の種別に応じて定められる数値Tcは、沖積層の深さが35mの軟弱な第三種地盤である場合、0.2秒を用いる。
- 鉄骨造又は木造の建築物の地震力を算定する場合に用いる設計用一次固有周期T(単位 秒)は、建築物の高さ(単位 メートル)に0.03を乗じて算出することができる。
- 弾性域における設計用一次固有周期Tの計算に用いる建築物の高さは、建築物の最高高さではなく、振動性状を十分に考慮した振動上有効な高さを用いる場合がある。
- 地震層せん断力係数の算定に用いる振動特性係数Rtは、一般に、設計用一次固有周期Tが長くなるほど、小さくなる。
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この過去問の解説 (2件)
01
昭55建告第1793号 第二 に関する問題です。
構造の問題ですが、単に暗記するだけでなく、
合わせて法規もチェックしておくことでより理解が深まりますので、
告示も一読してみてください。
Tcは地盤の固有周期で、建築物の基礎の底の直下の地盤の種別に応じて数値が決まっています。
昭55建告第1793号 第二より、腐植土、
泥土その他これらに類するもので大部分が構成されている沖積層で、
その深さがおおむね30メートル以上のものは第三種地盤と規定されており、
第三者地盤のTcは0.8です。
よって、誤りです。
昭55建告第1793号 第二より、設計用一次固有周期Tは次の式によって計算します。
T=h(0.02+0.01α)
この式において、h及びαは、それぞれ次の数値を表します。
h:当該建築物の高さ(単位 メートル)
α:当該建築物のうち柱及びはりの大部分が木造又は鉄骨造である階
(地階を除く)の高さの合計のhに対する比
鉄骨造又は木造の建築物の場合は、建築物の高さと柱及びはりの大部分が
木造又は鉄骨造である階の高さの合計は同じになりますので、αは1となります。
よってT=0.03hとなるので、鉄骨造又は木造の建築物の設計用一次固有周期Tは、
建築物の高さに0.03を乗じて算出することができます。
昭55建告第1793号 第二 ただし書に関する技術的助言(国住指第1335号 4(3))に、
「弾性域における固有周期の計算に用いる建築物の高さは、
当該建築物の振動性状を十分に考慮して屋上階の床版上面までとするなど
振動上有効な高さを用いなければならない。」
と設問通りの記載があります。令和5年に新規出題された項目です。
昭55建告第1793号 第二より、Rtは次の式によって算出します。
①T<Tcのとき Rt=1
②Tc≦T<2Tcのとき Rt=1-0.2(T/Tc -1)²
③2Tc≦Tのとき Rt=1.6Tc/T
ここで、T=0.9、T c=0.8のとき
②の式に当てはめると、Rt=0.99....
T=1.6、T c=0.8のとき
③の式に当てはめると、Rt=0.8
よって、Rtは建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど、小さな値となります。
新規出題があっても、他の選択肢について知識があれば問題は解けます。
焦らず、学習してきたことを活かして解答してください。
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02
この問題は建築基準法上の地震力に関する問題です。設計用一次固有周期の深い知識が必要である問題であるため、しっかり復習しておきましょう。
誤りです。
建築物の基礎の底部直下の地盤種別に応じて定められる数値Tcは第3種地盤の場合0.8秒を用います。
正しいです。
設計用一次固有周期Tは精算によらない場合下記の通りです。
T = h(0.02+0.01α)
H:建築物の高さ α:柱及び梁の大部分が木造又は鉄骨造である階の合計高さの建物高さに対する比
よって鉄骨造の場合α=1となり、建築物の高さhに0.03を乗じた数値となります。
正しいです。
設計用一次固有周期Tの計算に用いる建築物の高さhは、建築物の振動性状を十分考慮して計画上の建築物の高さとは別に振動上有効な高さを用いる場合があります。
正しいです。
振動特性係数Rtは地震力の低減係数であり、設計用一次固有周期Tが長くなるほど振動特性係数Rtは小さくなります。
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