一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問8

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

建築基準法における風荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合と同じ値である。
  • 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる平均速度圧q̅は、一般に、気流の乱れを表すガスト影響係数Gfを考慮する。
  • 基準風速V0は、稀に発生する暴風時を想定した、地上10mにおける10分間平均風速に相当する値である。
  • ガスト影響係数Gfは、一般に、建築物の高さと軒の高さとの平均Hの値が大きくなるほど、小さくなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

荷重・外力についての問題は毎年出題されており、

なかでも風荷重についての問題は多く出題されています。

記号が多くややこしい印象があるかもしれませんが、

図などで整理して覚えて、混乱しないようにしましょう。

選択肢1. 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合と同じ値である。

正。

風圧力の算出に用いる基準風速V0は、

屋根葺き材も骨組も同じ値を使用します。

 

選択肢2. 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる平均速度圧q̅は、一般に、気流の乱れを表すガスト影響係数Gfを考慮する。

誤。

屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる平均速度圧q̅は、

0.6Er2 Vo2で求められます。

よってガスト影響係数Gfは考慮しません。

構造骨組用の風圧力の算出に用いる速度圧qはガスト影響係数Gfを考慮します。

選択肢3. 基準風速V0は、稀に発生する暴風時を想定した、地上10mにおける10分間平均風速に相当する値である。

正。

基準風速とは、その地域における過去の台風の記録に基づく風害の程度や、

その他の風の性状に応じて、30m/s~46m/sまでの範囲内において

国土交通大臣が定める風速で、高さ10mにおける10分間の平均風速を指します。

選択肢4. ガスト影響係数Gfは、一般に、建築物の高さと軒の高さとの平均Hの値が大きくなるほど、小さくなる。

正。

ガストとは突風のことで、

ガスト影響係数とは平均風速に対する瞬間風速の比のことです。

高さが高いほど突風が少ないので小さくなります。

ガスト影響係数Gfと建築物の屋根の平均高さ Hの関係を示すグラフも

チェックしてみてください。

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02

この問題は建築基準法における風荷重に関する問題です。構造骨組に用いる風圧力と屋根葺き材等に用いる風圧力と分けて考えるようにしましょう。

選択肢1. 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合と同じ値である。

正しいです。

基準風速V0は構造骨組に用いる風圧力を算出する時と屋根葺き材等に用いる風圧力を算出する時と同じ値を使用します。

選択肢2. 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる平均速度圧q̅は、一般に、気流の乱れを表すガスト影響係数Gfを考慮する。

誤りです。

屋根葺き材等に用いる風圧力の算出に用いる速度圧は下記の式で求めます。

=0.6Er2V02 

Er:平均風速の高さ方向の分布を表す係数 V0:基準風速

よって気流の乱れを表すガスト影響係数Gf考慮しません。

選択肢3. 基準風速V0は、稀に発生する暴風時を想定した、地上10mにおける10分間平均風速に相当する値である。

正しいです。

基準風速とは稀に発生する暴風時の地上10mにおける10分間の平均風速に相当する値です。

選択肢4. ガスト影響係数Gfは、一般に、建築物の高さと軒の高さとの平均Hの値が大きくなるほど、小さくなる。

正しいです。

ガスト影響係数Gfは気流の乱れを表すため、平坦で開けた場所ほど建築物の高さと軒の高さとの平均Hの値が大きくなるほど小さくなります。

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