一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問13

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造の許容応力度計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 梁の短期許容せん断力の計算において、有効せいに対するせん断スパンの比による割増しを考慮した。
  • 梁の許容曲げモーメントの計算において、引張鉄筋比が釣合い鉄筋比以下であったので、at(引張鉄筋の断面積)× ft(引張鉄筋の許容引張応力度)× j(梁の応力中心間距離)により算定した。
  • 耐力壁の長期許容せん断力の計算において、壁の横筋による効果を考慮した。
  • 柱の許容曲げモーメントは、「圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達したとき」、「圧縮側鉄筋が許容圧縮応力度に達したとき」及び「引張鉄筋が許容引張応力度に達したとき」に対して算定したそれぞれの曲げモーメントのうち、最小となるものとした。

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この過去問の解説 (2件)

01

鉄筋コンクリート構造の許容応力度計算に関する問題です。

長期と短期での違いなど、ポイントを押さえて確実に覚えましょう。

選択肢1. 梁の短期許容せん断力の計算において、有効せいに対するせん断スパンの比による割増しを考慮した。

正。

有効せいに対するせん断スパンの比を小さくするとせん断耐力は大きくなるので、

割増しを考慮します。

選択肢2. 梁の許容曲げモーメントの計算において、引張鉄筋比が釣合い鉄筋比以下であったので、at(引張鉄筋の断面積)× ft(引張鉄筋の許容引張応力度)× j(梁の応力中心間距離)により算定した。

正。

引張鉄筋比が釣合い鉄筋比以下の場合、

引張鉄筋が圧縮側コンクリートより先に許容圧縮応力度に達するので、
梁の許容曲げモーメントは

at(引張鉄筋の断面積)× ft(引張鉄筋の許容引張応力度)× j(梁の応力中心間距離)

で求められます。

 

選択肢3. 耐力壁の長期許容せん断力の計算において、壁の横筋による効果を考慮した。

誤。

耐力壁の長期許容せん断力の計算にはコンクリートの耐力のみ考慮し、

鉄筋による効果は考慮しません。

選択肢4. 柱の許容曲げモーメントは、「圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達したとき」、「圧縮側鉄筋が許容圧縮応力度に達したとき」及び「引張鉄筋が許容引張応力度に達したとき」に対して算定したそれぞれの曲げモーメントのうち、最小となるものとした。

正。

柱の許容曲げモーメントは、

「圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達したとき」、

「圧縮側鉄筋が許容圧縮応力度に達したとき」及び

「引張鉄筋が許容引張応力度に達したとき」

に対して算定したそれぞれの曲げモーメントのうち、最小となるものとします。

 

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02

この問題は鉄筋コンクリート造の許容応力度に関する問題です。圧縮鉄筋、引張鉄筋、コンクリートの考慮の仕方をしっかり理解しましょう。

選択肢1. 梁の短期許容せん断力の計算において、有効せいに対するせん断スパンの比による割増しを考慮した。

正しいです。

梁の短期許容せん断力の計算において、有効せいに対するせん断スパン比の割増しを考慮します。有効せいに対するせん断スパン比を割り増すと許容せん断力が小さくなります。

選択肢2. 梁の許容曲げモーメントの計算において、引張鉄筋比が釣合い鉄筋比以下であったので、at(引張鉄筋の断面積)× ft(引張鉄筋の許容引張応力度)× j(梁の応力中心間距離)により算定した。

正しいです。

梁の許容曲げモーメントの計算において、引張鉄筋比が釣り合い鉄筋比以下の場合、梁の許容曲げモーメント(M)は引張鉄筋の断面積(αt)×鉄筋の許容引張応力度(f)×応力中心間距離(j)で求めます。引張鉄筋比が釣り合い鉄筋比以下ということは、引張鉄筋が先に許容応力度に達するということです。

選択肢3. 耐力壁の長期許容せん断力の計算において、壁の横筋による効果を考慮した。

誤りです。

耐力壁の長期許容せん断力の計算においてはコンクリートの長期許容せん断力のみを考慮するため、横筋の効果は考慮しません。

選択肢4. 柱の許容曲げモーメントは、「圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達したとき」、「圧縮側鉄筋が許容圧縮応力度に達したとき」及び「引張鉄筋が許容引張応力度に達したとき」に対して算定したそれぞれの曲げモーメントのうち、最小となるものとした。

正しいです。

柱の許容曲げモーメントの計算において、「圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達する時」、「圧縮鉄筋が許容圧縮応力度に達する時」、「引張鉄筋が引張許容度に達する時」に対して算定した曲げモーメントのうちの最小値とします。

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