一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問12

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造の鉄筋の定着に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 梁主筋の柱への必要定着長さは、柱のコンクリートの設計基準強度が高いほど短くなる。
  • 引張鉄筋の必要定着長さは、フックの折曲げ角度を90度とする場合に比べて、180度とする場合のほうが短い。
  • 引張鉄筋の必要定着長さは、横補強筋で拘束されていない部分に定着する場合に比べて、横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合のほうが短い。
  • 最上階以外の梁で、上端筋と下端筋を柱内で連続させてU字形の折曲げ定着とする場合、その定着長さの取り方は折曲げ角度90度のフックを準用してもよい。

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この過去問の解説 (2件)

01

鉄筋の定着長さとは、鉄筋がコンクリートから抜けないように

埋め込まなくてはいけない長さの事です。

定着長さは鉄筋の種類とコンクリートの設計基準強度と

フックの有無によって決まります。

選択肢1. 梁主筋の柱への必要定着長さは、柱のコンクリートの設計基準強度が高いほど短くなる。

正。

コンクリートの設計基準強度が高いということは、

それだけ鉄筋をとらえる力が強くなるということなので、

必要定着長さは短くなります。

選択肢2. 引張鉄筋の必要定着長さは、フックの折曲げ角度を90度とする場合に比べて、180度とする場合のほうが短い。

誤。

フックの折曲げ角度が違っても、必要定着長さは変わりません。

選択肢3. 引張鉄筋の必要定着長さは、横補強筋で拘束されていない部分に定着する場合に比べて、横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合のほうが短い。

正。

引張鉄筋の必要定着長さを求める式において、

横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合は 1.0倍ですが、

そうでない場合は 1.25 倍に割り増しして計算します。

よって、横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合のほうが短くなります。

選択肢4. 最上階以外の梁で、上端筋と下端筋を柱内で連続させてU字形の折曲げ定着とする場合、その定着長さの取り方は折曲げ角度90度のフックを準用してもよい。

正。

最上階以外の梁で、上端筋と下端筋を柱内で連続させてU字形の折曲げ定着とする場合、

その定着長さの取り方は折曲げ角度90度のフックを準用できます。

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02

この問題は鉄筋コンクリート造の鉄筋の定着長さに関する問題です。コンクリートの設計基準強度の大小や鉄筋フック形状が定着長さにどのように影響するかを理解しましょう。

選択肢1. 梁主筋の柱への必要定着長さは、柱のコンクリートの設計基準強度が高いほど短くなる。

正しいです。

コンクリートの設計基準強度が高いほど鉄筋が抜けにくくなるため、鉄筋の定着長さは短くなります。

選択肢2. 引張鉄筋の必要定着長さは、フックの折曲げ角度を90度とする場合に比べて、180度とする場合のほうが短い。

誤りです。

鉄筋の折り曲げ形状は定着長さに影響しません。90°フック、135°フック、180°フックであっても定着長さは一定です。

選択肢3. 引張鉄筋の必要定着長さは、横補強筋で拘束されていない部分に定着する場合に比べて、横補強筋で拘束されたコア内に定着する場合のほうが短い。

正しいです。

横補強筋で拘束されていない部分に比べて横補強筋で拘束された部分の方が定着長さは短くなります。コンクリートが横補強筋で拘束されているほど鉄筋は抜けにくくなるためです。

選択肢4. 最上階以外の梁で、上端筋と下端筋を柱内で連続させてU字形の折曲げ定着とする場合、その定着長さの取り方は折曲げ角度90度のフックを準用してもよい。

正しいです。

最上階以外の階の鉄筋の上端筋と下端筋は柱内に連続させて折り曲げ定着とする場合、折り曲げ角度を90°フックとします。

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