一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問22

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

プレストレストコンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 保有水平耐力計算におけるプレストレストコンクリート柱の部材種別判定において、軸方向力にPC鋼材の有効プレストレス力を考慮しない。
  • プレストレストコンクリート部材に導入されたプレストレス力は、PC鋼材のリラクセーション等により、時間の経過とともに減少する。
  • プレストレストコンクリート部材のPC鋼材の曲げ半径が小さく、角度変化が大きい箇所においては、内側のコンクリートの局部圧縮応力について検討する。
  • 建築物の使用上の支障が起こらないことを確かめるためにプレストレストコンクリート部材の長期たわみを算定する場合には、部材の曲げ耐力に対するPC鋼材の寄与を考慮して変形増大係数を低減することができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

プレストレストコンクリートとは、あらかじめコンクリートに圧縮応力を作用させて、

ひび割れを生じにくくしたコンクリートのことです。

コンクリートの引張に弱くひび割れやすいという欠点を克服しています。

選択肢1. 保有水平耐力計算におけるプレストレストコンクリート柱の部材種別判定において、軸方向力にPC鋼材の有効プレストレス力を考慮しない。

誤。

PC鋼材の有効プレストレス力は軸力として考慮します。

 

選択肢2. プレストレストコンクリート部材に導入されたプレストレス力は、PC鋼材のリラクセーション等により、時間の経過とともに減少する。

正。

PC鋼材には時間の経過とともにその張力が減少する性質があります。

これをリラクセーションと呼びます。

選択肢3. プレストレストコンクリート部材のPC鋼材の曲げ半径が小さく、角度変化が大きい箇所においては、内側のコンクリートの局部圧縮応力について検討する。

正。設問の通りです。

選択肢4. 建築物の使用上の支障が起こらないことを確かめるためにプレストレストコンクリート部材の長期たわみを算定する場合には、部材の曲げ耐力に対するPC鋼材の寄与を考慮して変形増大係数を低減することができる。

正。設問の通りです。

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02

この問題はプレストレストコンクリート構造に関する問題です。プレストレスとはあらかじめ計画的にコンクリートに与える圧縮応力のことです。特徴や考え方をしっかり理解しましょう。

選択肢1. 保有水平耐力計算におけるプレストレストコンクリート柱の部材種別判定において、軸方向力にPC鋼材の有効プレストレス力を考慮しない。

誤りです。

保有水平耐力計算においてプレストレストコンクリートの部材種別判定は鉄筋コンクリートと同様ですが、軸方向力の算定にはPC鋼材のプレストレス力を考慮します。

選択肢2. プレストレストコンクリート部材に導入されたプレストレス力は、PC鋼材のリラクセーション等により、時間の経過とともに減少する。

正しいです。

PC鋼材は張力を与えた状態にしておくことで時間の経過と共に張力が減少します。これを「リラクセーション」と呼びます。

選択肢3. プレストレストコンクリート部材のPC鋼材の曲げ半径が小さく、角度変化が大きい箇所においては、内側のコンクリートの局部圧縮応力について検討する。

正しいです。

PC鋼材の曲げ半径が小さく角度変化が大きい箇所については、その部分のコンクリートに作用する圧縮応力も大きくなるため、局部圧縮応力について検討する必要があります。

選択肢4. 建築物の使用上の支障が起こらないことを確かめるためにプレストレストコンクリート部材の長期たわみを算定する場合には、部材の曲げ耐力に対するPC鋼材の寄与を考慮して変形増大係数を低減することができる。

正しいです。

プレストレストコンクリート部材の長期たわみを算定する場合、PC鋼材のプレストレスは部材の曲げ耐力に寄与するため、変形増大係数を低減することができます。

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