一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問23
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問題
一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
合成構造及び混合構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄筋コンクリートスラブとこれを支持する鉄骨梁とを接合する合成梁を完全合成梁とする場合には、合成梁断面が全塑性モーメントを発揮するのに必要な本数以上の頭付きスタッドを設ける。
- 鉄骨鉄筋コンクリート構造において、地震時に引張軸力の生じる1階の鉄骨柱脚は、原則として、埋込み形式とする。
- 鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁の混合構造における柱梁接合部の設計では、柱梁接合部のせん断破壊や、接合部に連なる柱頭・柱脚の支圧破壊等が生じないことを確認する。
- 外周部の骨組を鉄骨造とし、コア部分の壁を鉄筋コンクリート造とした混合構造形式は、一般に、外周部の骨組は主に水平力を負担する主要な構造要素とし、コア部分の壁は主に鉛直荷重を負担する構造形式である。
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この過去問の解説 (2件)
01
合成構造は複数の材料を組み合わせて一つの構造部材としたもので、
混合構造は異なる部材を連結して一つの構造体としたものをいいます。
それぞれの材料の長所を生かし、短所をカバーすることができたり、
大スパンの実現や性能の向上など、多くの利点があります。
合成構造には、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC構造)、
コンクリート充填鋼管構造(CFT構造)等があります。
混合構造には、梁部材と柱部材の混合構造(複合ラーメン構造等)、
梁部材と梁部材の混合構造等があります。
正。
合成梁とはスタッドによって鉄骨梁とコンクリートスラブを一体化し、
コンクリートスラブによる剛性の割増しを考慮した梁のことです。
そのため、応力を伝達するのに必要な本数以上の頭付きスタッドを設けます。
正。
最下階の柱脚部は地震時の軸力変動が大きいため、埋込み形式とします。
正。
鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁の混合構造における柱梁接合部の破壊を防止するためには、
柱梁接合部がせん断破壊しないこと、
柱梁接合部に連なる柱頭・柱脚が支圧破壊しないことを確認することが重要です。
誤。
外周部の鉄骨造の骨組は主に鉛直荷重を負担し、コア部分の壁は主に水平力を負担します。
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02
この問題は合成構造及び混合構造に関する問題です。異種構造の接合部についての問題がよく出題されます。しっかり復習しておきましょう。
正しいです。
鉄筋コンクリートスラブと鉄骨梁とを接合する合成梁については完全合成梁と不完全合成梁があり、合成梁断面が全塑性モーメントを発揮するのに必要な本数以上の頭付きスタッドを設けると完全合成梁となります。
正しいです。
鉄骨鉄筋コンクリート構造における柱脚は埋込形式と非埋込形式があります。地震時に引張軸力が生じる場合は原則として埋込形式を採用します。
正しいです。
鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁の混合構造において柱梁接合部が破壊しないようにするためには、柱梁接合部がせん断破壊や柱脚・柱頭の支圧破壊が生じないように設計します。
誤りです。
鉄骨造である外周部の骨組は主に鉛直荷重を負担させ、鉄筋コンクリート造であるコア部分の壁は水平力を負担させます。外周部の骨組(鉄骨造)は鉛直荷重に強く、コア部分の壁(鉄筋コンクリート造)は水平剛性が大きいためです。
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