一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科4(構造) 問25

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科4(構造) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、一般に、当該部分の固定荷重と積載荷重の和に所定の水平震度を乗じて計算する。
  • 地震層せん断力係数の算定に用いる地震地域係数Zは、許容応力度設計用地震力と必要保有水平耐力の算定において、一般に、同じ値を用いる。
  • 1階が鉄骨鉄筋コンクリート造で2階以上が鉄骨造の建築物の構造計算において、2階以上の部分の必要保有水平耐力は、一般に、鉄骨造の構造特性係数Dsを用いて計算する。
  • 限界耐力計算において、塑性化の程度が大きいほど、一般に、安全限界時の各部材の減衰特性を表す数値を小さくすることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

耐震設計とは、地震力に対して建物を安全に設計することで、

そのための最低基準が建築基準法に定められています。 

現在の耐震基準は昭和56年に作られた、

いわゆる「新耐震基準」と呼ばれるものです。

選択肢1. 建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、一般に、当該部分の固定荷重と積載荷重の和に所定の水平震度を乗じて計算する。

正。

地下部分の地震力は(固定荷重+積載荷重)×水平震度で求められます。

水平震度とは、ある層の地震力がその層の重量の何倍かを表し、

地盤面では0.1Z、
地盤面から深さ20mまでは深くなるにつれて小さくなり、
深さが20mを超えると、0.05Zで一定となります。

選択肢2. 地震層せん断力係数の算定に用いる地震地域係数Zは、許容応力度設計用地震力と必要保有水平耐力の算定において、一般に、同じ値を用いる。

正。

許容応力度設計用地震力を計算する場合の

地震層せん断力係数Ci=Z・Rt・Ai・C₀に使うZと、

必要保有水平耐力Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wi

の計算に使うZは同じ数値を用います。 

選択肢3. 1階が鉄骨鉄筋コンクリート造で2階以上が鉄骨造の建築物の構造計算において、2階以上の部分の必要保有水平耐力は、一般に、鉄骨造の構造特性係数Dsを用いて計算する。

正。

設問の通りです。

選択肢4. 限界耐力計算において、塑性化の程度が大きいほど、一般に、安全限界時の各部材の減衰特性を表す数値を小さくすることができる。

誤。

塑性化の程度が大きいほど減衰性は大きくなるので、

安全限界時の各部材の減衰特性を表す数値を「大きく」することができます。

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02

この問題は建築物の耐震設計に関する問題です。耐震設計に関する基本的な問題が出題されているため、しっかり復習しておきましょう。

選択肢1. 建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、一般に、当該部分の固定荷重と積載荷重の和に所定の水平震度を乗じて計算する。

正しいです。

建築物の地下部分に作用する地震力は地下部分の固定荷重と積載荷重の和に所定の水平震度を乗じて計算します。

選択肢2. 地震層せん断力係数の算定に用いる地震地域係数Zは、許容応力度設計用地震力と必要保有水平耐力の算定において、一般に、同じ値を用いる。

正しいです。

地震地域係数Zとは過去の地震記録等により得られた地震動の期待値の相対的な比であり、地域ごとに定められている数値です。許容応力度設計用地震力と必要保有水平耐力の算定おいては同じ値を使用します。

選択肢3. 1階が鉄骨鉄筋コンクリート造で2階以上が鉄骨造の建築物の構造計算において、2階以上の部分の必要保有水平耐力は、一般に、鉄骨造の構造特性係数Dsを用いて計算する。

正しいです。

保有水平耐力は求めたい階数の構造種別の構造特性係数Dsを用いて計算します。

選択肢4. 限界耐力計算において、塑性化の程度が大きいほど、一般に、安全限界時の各部材の減衰特性を表す数値を小さくすることができる。

誤りです。

限界耐力計算において塑性可の程度が大きいほど減衰性は大きくなるため、減衰特性を表す数値を大きくすることができます。

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