一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科5(施工) 問13

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科5(施工) 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事における溶接に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 作業場所の気温が2℃であったので、溶接線より100mmの範囲の母材部分を予熱して溶接を行った。
  • 隅肉溶接において、T継手の密着不良部の隙間が3.0mmであったので、隅肉溶接のサイズを隙間の大きさだけ大きくした。
  • 裏当て金を用いた柱梁接合部の裏当て金の組立溶接については、梁フランジ幅の両端から5mm以内の位置において行った。
  • 開先のある溶接の両端に設ける鋼製エンドタブについては、特記がなく、柱材にH形断面柱が用いられている接合部であったので、切断しなかった。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は鉄骨工事に関する問題です。写真や図から工事中のイメージができるようになることが重要です。合わせて用語や数値をしっかり覚えましょう。

選択肢1. 作業場所の気温が2℃であったので、溶接線より100mmの範囲の母材部分を予熱して溶接を行った。

正しいです。

気温が-5℃から5℃の場合、接合部より100mmの範囲の母材部分を予熱してから溶接を行います。

選択肢2. 隅肉溶接において、T継手の密着不良部の隙間が3.0mmであったので、隅肉溶接のサイズを隙間の大きさだけ大きくした。

正しいです。

隅肉溶接によるT継手の密着不良について隙間が2mmを超える場合、隙間の大きさだけ隅肉溶接のサイズを大きくします。隙間の限界許容差は3mmです。

選択肢3. 裏当て金を用いた柱梁接合部の裏当て金の組立溶接については、梁フランジ幅の両端から5mm以内の位置において行った。

誤りです。

裏当て金を用いた柱梁接合部の裏当て金の組立溶接は、フランジの両側から5mm以内の位置には行ってはなりません。

選択肢4. 開先のある溶接の両端に設ける鋼製エンドタブについては、特記がなく、柱材にH形断面柱が用いられている接合部であったので、切断しなかった。

正しいです。

エンドタブの切断の要否及び切断要領は特記によりますが、特記がない場合は切断しなくても良いです。

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02

溶接に関しては、

溶接の種類(完全溶け込み溶接、突合せ溶接、スタッド溶接など)ごとに特徴を整理し、

覚える数値が多いので、何度も繰り返し学習して確実に暗記できるようにしましょう。

選択肢1. 作業場所の気温が2℃であったので、溶接線より100mmの範囲の母材部分を予熱して溶接を行った。

正。設問の通りです。

作業場所の気温が-5℃から5℃の場合は、

溶接線より100mmの範囲の母材部分を適切に加熱して溶接を行います。

なお、気温が-5℃を下回る場合は、溶接を行ってはなりません。

選択肢2. 隅肉溶接において、T継手の密着不良部の隙間が3.0mmであったので、隅肉溶接のサイズを隙間の大きさだけ大きくした。

正。設問の通りです。

T継手の隅肉溶接の隙間は2mm以下であればそのまま溶接し、

2mm超3mm以下の場合は、隙間の分だけサイズを大きくします。

選択肢3. 裏当て金を用いた柱梁接合部の裏当て金の組立溶接については、梁フランジ幅の両端から5mm以内の位置において行った。

誤。

柱梁接合部の裏当て金の組立溶接は、

・梁フランジの両端から5mm以内

・ウェブフィレット部のR止まり・

・隅肉溶接止端部から5mm以内

以上の位置には行うことができません。

選択肢4. 開先のある溶接の両端に設ける鋼製エンドタブについては、特記がなく、柱材にH形断面柱が用いられている接合部であったので、切断しなかった。

正。設問の通りです。

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