一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科5(施工) 問12

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科5(施工) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

プレキャスト鉄筋コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • プレキャストの耐力壁の水平及び鉛直接合部の防水については、適切な目地深さを確保するためにバックアップ材を装填し、建築用シーリング材により行った。
  • プレキャスト部材と現場打ちコンクリートの接合部については、豆板などの欠陥を防止するために、打込み箇所を清掃して異物を取り除き、散水してせき板やコンクリート面を湿潤状態にして、接合部1か所ごとに一度にコンクリートを打ち込んだ。
  • プレキャスト部材の柱脚部において、鉄筋のスリーブ継手のグラウト材の充填度については、注入口から注入したグラウト材が、すべての排出口からあふれ出たことを目視により確認した。
  • プレキャスト部材の製造において、脱型時に表面温度が高いプレキャスト部材については、表面部の温度が外気温と同程度になるまで適切な温度管理をした貯蔵場所で十分に乾燥させた。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題はプレキャスト鉄筋コンクリート工事に関する問題です。プレキャスト鉄筋コンクリートとは予め工場で造られた鉄筋コンクリートの事です。現場打ちコンクリートと比べて管理するポイントが異なるため、特徴をしっかり理解しましょう。

選択肢1. プレキャストの耐力壁の水平及び鉛直接合部の防水については、適切な目地深さを確保するためにバックアップ材を装填し、建築用シーリング材により行った。

正しいです。

プレキャストの壁部材など水平及び鉛直接合部の防水はバックアップ材を装填して建築用シーリング材により行います。

選択肢2. プレキャスト部材と現場打ちコンクリートの接合部については、豆板などの欠陥を防止するために、打込み箇所を清掃して異物を取り除き、散水してせき板やコンクリート面を湿潤状態にして、接合部1か所ごとに一度にコンクリートを打ち込んだ。

正しいです。

プレキャスト部材の接合部に用いるコンクリートは接合部一か所ごとに一度に打込みます。豆板等の欠陥を防止するためには打込み箇所の清掃や散水を施すことが重要です。

選択肢3. プレキャスト部材の柱脚部において、鉄筋のスリーブ継手のグラウト材の充填度については、注入口から注入したグラウト材が、すべての排出口からあふれ出たことを目視により確認した。

正しいです。

プレキャスト部材の鉄筋のスリーブ継手において、グラウト材の充填度の確認は注入したグラウト材がすべての排出口からあふれ出たことを目視により確認します。

選択肢4. プレキャスト部材の製造において、脱型時に表面温度が高いプレキャスト部材については、表面部の温度が外気温と同程度になるまで適切な温度管理をした貯蔵場所で十分に乾燥させた。

誤りです。

プレキャスト部材の脱型後はシート等による被覆、散水・噴霧等により湿潤養生を行います。

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02

プレキャスト鉄筋コンクリート工法(PCa工法)とは、

あらかじめ工場で製作されたコンクリート部材を現場で組み立てる工法のことです。

一般的なコンクリート工事との違いを理解して覚えていきましょう。

選択肢1. プレキャストの耐力壁の水平及び鉛直接合部の防水については、適切な目地深さを確保するためにバックアップ材を装填し、建築用シーリング材により行った。

正。設問の通りです。

三面接着とならないようにバックアップ材を装填して、

建築用シーリング材により行います。

選択肢2. プレキャスト部材と現場打ちコンクリートの接合部については、豆板などの欠陥を防止するために、打込み箇所を清掃して異物を取り除き、散水してせき板やコンクリート面を湿潤状態にして、接合部1か所ごとに一度にコンクリートを打ち込んだ。

正。設問の通りです。

部材の表面は湿潤状態にして施工します。

選択肢3. プレキャスト部材の柱脚部において、鉄筋のスリーブ継手のグラウト材の充填度については、注入口から注入したグラウト材が、すべての排出口からあふれ出たことを目視により確認した。

正。設問の通りです。

選択肢4. プレキャスト部材の製造において、脱型時に表面温度が高いプレキャスト部材については、表面部の温度が外気温と同程度になるまで適切な温度管理をした貯蔵場所で十分に乾燥させた。

誤。

表面部の温度が外気温と同程度となるまで水密シートや、

散水・噴霧等によって湿潤養生を行います。

参考になった数2