一級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問4 (学科1(計画) 問4)

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問題

一級建築士試験 令和6年(2024年) 問4(学科1(計画) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

人間の行動や心理の特性に配慮した計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 認知症高齢者グループホームにおいて、「環境移行」によるADLの低下や心理的混乱を避けるため、1ユニットの定員を9人とし、小規模で家庭的な環境となるようにした。
  • 総合病院において、患者や見舞い客等が病室に設置された備品・什器を混乱なく、色や形状等で直感的に分かりやすく使えるよう、ウェイファインディング・デザインを採用した。
  • 住宅地において、防犯性を高めるため、オスカー・ニューマンによる「まもりやすい空間」の理論に基づき、パブリックからプライベートまでの段階的な空間構成を採用した。
  • 商業施設において、ソシオフーガルな関係での利用ができるよう、互いの視線が合わずに座れるベンチを休憩スペースに設置した。

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この過去問の解説 (1件)

01

福祉施設、設計手法等からの出題です。

 

選択肢1. 認知症高齢者グループホームにおいて、「環境移行」によるADLの低下や心理的混乱を避けるため、1ユニットの定員を9人とし、小規模で家庭的な環境となるようにした。

正しい記述です。

認知症高齢者グループホームの1ユニットの定員は5~9人とされています。

ADL(日常生活動作)とは、日常生活を送るために最低限必要な動作のことです。

起居動作、移乗、移動、食事、更衣、排泄、入浴、整容をADLと言います。

9人を超えることは無いですが、9人を超えるととスタッフや他の利用者とのコミュニケーションが取りづらくなり、認知症の利用者がいるとパニックを起こす可能性があるようです。

選択肢2. 総合病院において、患者や見舞い客等が病室に設置された備品・什器を混乱なく、色や形状等で直感的に分かりやすく使えるよう、ウェイファインディング・デザインを採用した。

誤った記述です。

ウェイファインディング・デザインとは慣れない場所や複雑な建物内でも利用者が迷わず目的地にたどり着けるよう誘導するデザインのことです。

サイン等の文字や矢印での表示の他に、色彩や照明、家具などを配置し、目的地までの経路をわかりやすくします。

備品・什器を混乱なく、色や形状等で直感的に分かりやすく使えるよう」という記述はユニバーサルデザインについてです。

選択肢3. 住宅地において、防犯性を高めるため、オスカー・ニューマンによる「まもりやすい空間」の理論に基づき、パブリックからプライベートまでの段階的な空間構成を採用した。

正しい記述です。

オスカー・ニューマンは「まもりやすい空間」において、防犯性を高めるためには、パブリックからプライベートな空間までを段階的に構成しなければならない「段階構成論」を考え出しています。

選択肢4. 商業施設において、ソシオフーガルな関係での利用ができるよう、互いの視線が合わずに座れるベンチを休憩スペースに設置した。

正しい記述です。

「ソシオフーガル」は交流を抑制する状況。(互いに背を向け合う状況)

対となる「ソシオペタル」は交流を活発にする状況。(互いに向かい合う状況)

 

まとめ

見たことない問題でも2つには絞れるように過去問を根気強く解きましょう。

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