2級土木施工管理技術の過去問
令和4年度(前期)
土木2 問12

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和4年度(前期) 土木2 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材の溶接継手に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 溶接を行う部分は、溶接に有害な黒皮、さび、塗料、油等があってはならない。
  • 溶接を行う場合には、溶接線近傍を十分に乾燥させる。
  • 応力を伝える溶接継手には、完全溶込み開先溶接を用いてはならない。
  • 開先溶接では、溶接欠陥が生じやすいのでエンドタブを取り付けて溶接する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.〇

溶接面にさびや油分等があると、密着せずに欠陥溶接となるおそれがあります。

2.〇

乾燥させることで被覆に吸着した水分を除去し、欠陥の発生や溶接作業性の劣化を防止します。

3.✕

応力を伝える溶接継手には、完全溶込み開先溶接部分溶込み開先溶接連続すみ肉溶接を用います。

4.〇

エンドタブとは、溶接線の端部に取り付ける補助板のことです。

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02

鋼材の溶接継手に関する設問になります。

選択肢1. 溶接を行う部分は、溶接に有害な黒皮、さび、塗料、油等があってはならない。

正しいです。

溶接を行う際に、溶接部分に黒皮、さび、塗料、油などの溶接に有害な物質が残っていると、ブローホール(球状の空洞)の発生や溶接割れなどの欠陥が生じる原因になります。

選択肢2. 溶接を行う場合には、溶接線近傍を十分に乾燥させる。

正しいです。

溶接を行う場合の溶接線とは、これから溶接をする施工箇所を線で表したものです。

ちなみに、溶接後においての溶接線とはビード(溶接の接合部の肉盛り部分)のことを指します。

溶接を行う際には、溶接棒、溶接鋼材ともに乾燥した状態でなければなりません。

選択肢3. 応力を伝える溶接継手には、完全溶込み開先溶接を用いてはならない。

誤りです。

応力を伝える溶接継手には、完全溶け込み開先溶接、部分溶け込み開先溶接、連続すみ肉溶接などが用いられます。

開先とは溶接継手に設ける溝のことで、開先加工をした継手を溶接することを開先溶接といいます。

開先溶接は、完全溶け込み溶接が可能であることから接合部分の強度を高めることができます。

選択肢4. 開先溶接では、溶接欠陥が生じやすいのでエンドタブを取り付けて溶接する。

正しいです。

溶接では、溶接線(ビード)の始点と終点となる端部が最も不安定となり、ブローホールや融合不良などの欠陥が生じることが多くなります。

このためエンドタブと呼ばれる仮設部材を端部に設けて溶接を行い、後に切除することで欠陥の発生を防止します。

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03

鋼材の溶接について施工上の留意点を押さえましょう。

選択肢1. 溶接を行う部分は、溶接に有害な黒皮、さび、塗料、油等があってはならない。

溶接を行う面に不純物等があると接着不良を引き起こすので、塗料やさびがある場合は事前に取り除くいてから溶接を行います。

よってこの記述は適当です。

選択肢2. 溶接を行う場合には、溶接線近傍を十分に乾燥させる。

溶接を行う場合は、不純物がないように、事前に油脂や水分、塗料さび等を取り除いてから溶接を行います。

よってこの記述は適当です。

選択肢3. 応力を伝える溶接継手には、完全溶込み開先溶接を用いてはならない。

応力継手には、完全溶込み開先溶接、部分溶込み開先溶接又は連続すみ肉溶接を用いることになっています。

直角方向への引張応力を受ける継手には完全溶込み開先溶接を使用するのが原則です。

よって、完全溶込み開先溶接を用いてはならないとするこの記述は不適当です。

選択肢4. 開先溶接では、溶接欠陥が生じやすいのでエンドタブを取り付けて溶接する。

溶接の始端に欠陥が生じやすく,これらの欠陥が発生しないように,原則として溶接始終端部にエンドタブを取り付けて溶接を行う必要があります。

よってこの記述は適当です。

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