2級土木施工管理技術の過去問
令和6年度(前期)
土木2 問12
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和6年度(前期) 土木2 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
鋼材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 鋼材は、応力度が弾性限界に達するまでは塑性を示すが、それを超えると弾性を示す。
- 鋼材は、炭素の含有量が少ないものほど延性や展性は向上するが、硬さや強さは低下する。
- 鋼材は、応力度が上降伏点に達すると、応力度は増えないのにひずみが急激に増加し始める。
- 鋼材は、強さや伸びに優れ、加工性もよく、土木構造物に欠くことのできない材料である。
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この過去問の解説 (2件)
01
鋼材は、私たちの身の回りにある様々な構造物や製品に使用されており、その特性を理解することは、工学分野において非常に重要です。
不適切な記述です。
弾性とは、外力がなくなると元の形状に戻る性質であり、塑性とは、外力がなくなっても元の形状に戻らない性質です。鋼材は、応力度が弾性限界を超えると塑性変形を起こし、弾性変形を示すことはありません。
適切な記述です。
炭素は鋼材の強度を高める合金元素ですが、一方で延性や展性を低下させる作用もあります。そのため、炭素含有量が少ない鋼材は、延性や展性に優れる一方で、強度や硬さは低くなります。
適切な記述です。
上降伏点は、鋼材が塑性変形を開始する点であり、この点を超えると応力が増加しなくてもひずみが増加し続ける現象(ネッキング)が起こります。
適切な記述です。
鋼材は、高い強度と靭性(ねばり強さ)を兼ね備えており、様々な形状に加工しやすいという特徴があります。そのため、橋梁やビルなどの土木構造物に広く利用されています。
鋼材は、その特性を理解し、適切な材料を選択することで、様々な構造物に安全かつ効率的に利用することができます。
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02
この問題は鋼材の性質についての知識が問われています。鋼材は強度・靭性に優れており、経済的かつ加工も比較的容易であるため、建築資材として広く利用されております。また、鋼材は主に炭素含有量と添加物によって性質が変化するため、用途ごとに様々な種類があります。一般的には炭素の含有量が多いほど鋼材は堅くなりますが、延性や展性は低下します。
「鋼材は、応力度が弾性限界に達するまでは弾性を示すが、それを超えると塑性を示す。」ので、設問は誤りです。
なお、弾性とは外力により変形したあとに外力を除くと元の形に戻ろうとする性質で、弾性限界とは外力を取り除いた後に元の形に戻らなくなる限界点です。 一方 塑性とは、力を除いても元の形状に戻らない性質のことを指します。
設問の通りです。
なお、炭素の含有量により、低炭素鋼0.02~0.25% 中炭素鋼0.25~0.6% 高炭素鋼0.25~2.14%と分類されます。
低炭素鋼は軟鋼と呼ばれ加工性に優れます。
中炭素鋼は一般構造用鋼とも呼ばれ、強度と加工性のバランスが良い鋼材です。
高炭素鋼は工具鋼と呼ばれ、耐摩耗性と硬度に優れます。
また、低炭素鋼より炭素含有量の少ないものは「純鉄」高炭素鋼より多いものは「鋳鉄」と呼ばれます。
設問の通りです。
鋼材は通常は弾性を示していますが、上降伏点に達すると塑性域に入るため、応力度は増えないのにひずみが急激に増加し始めます。
設問の通りです。
鋼材は、強度、耐食性、加工性などに優れた性質を持ち、かつ安価であるため建設資材には欠かせない材料です。
鋼材の性質についての問題は専門知識がなくても用語の意味を理解できていれば取れる問題が多いので、ポイントとして用語の意味を理解することをお勧めします。なお、いくつかのキーワードについて以下に示します。
鋼材:炭素を含有する鉄
応力:部材内に働く力
応力度:単位面積あたりに作用する応力
弾性:元の形に戻ろうとする性質
塑性:元の形に戻ろうとしない性質
降伏点:弾性域と塑性域の境界点
ヤング率:鋼材を引っ張ったときの「ひずみ」:「応力」の比例係数。ヤング率が大きいほど、鋼材は変形しにくい。
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