2級土木施工管理技術の過去問
令和6年度(前期)
土木2 問14

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和6年度(前期) 土木2 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリートの劣化機構に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 中性化は、コンクリートのアルカリ性が空気中の炭酸ガスの侵入等により失われていく現象である。
  • 塩害は、コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進され、コンクリートのひび割れや剥離等を引き起こす現象である。
  • 疲労は、荷重が繰返し作用することで、コンクリート中に微細なひび割れが発生し、やがて大きな損傷になる現象である。
  • 化学的侵食は、骨材中のシリカ分がセメント中のアルカリ分と化学反応を生じ、コンクリートのひび割れや崩壊を引き起こす現象である。

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この過去問の解説 (2件)

01

コンクリート構造物は、長期間の使用によって様々な要因により劣化していきます。この問題では、コンクリートの代表的な劣化現象である中性化、塩害、疲労、化学的侵食について、そのメカニズムや特徴を理解しているかを問いています。

選択肢1. 中性化は、コンクリートのアルカリ性が空気中の炭酸ガスの侵入等により失われていく現象である。

適切な記述です。 

中性化は、コンクリートが空気中の二酸化炭素と反応し、アルカリ性が失われる現象です。これにより、鉄筋の腐食が促進され、コンクリートの強度低下につながります。

選択肢2. 塩害は、コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進され、コンクリートのひび割れや剥離等を引き起こす現象である。

適切な記述です。 

塩害は、塩化物イオンが鉄筋に到達し、パッシベーション膜を破壊することで、鉄筋の腐食を促進します。腐食による体積増加は、コンクリートにひび割れや剥離を引き起こします。

選択肢3. 疲労は、荷重が繰返し作用することで、コンクリート中に微細なひび割れが発生し、やがて大きな損傷になる現象である。

適切な記述です。 

疲労は、コンクリートに繰り返し荷重がかかることで、内部に微細なひび割れが発生し、それが徐々に成長して大きな損傷に繋がる現象です。

選択肢4. 化学的侵食は、骨材中のシリカ分がセメント中のアルカリ分と化学反応を生じ、コンクリートのひび割れや崩壊を引き起こす現象である。

不適切な記述です。 

これは、アルカリシリカ反応と呼ばれる現象です。化学的侵食は、酸性雨などによるコンクリートの溶解や、化学物質による侵食などを指す一般的な用語です。

まとめ

コンクリート構造物は、長期間にわたって使用されるため、様々な劣化現象が発生します。この問題では、それぞれの劣化現象の特徴を理解し、問題文の記述から誤ったものを選択することで、コンクリートの劣化に関する理解度を問われています。

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02

この問題で覚えておくポイントは、コンクリートを劣化させる原因についてです。当該問題のように用語と説明が入れ替わっている設問があるため、ある程度のコンクリートへの理解が必要になる項目だと思います。

選択肢1. 中性化は、コンクリートのアルカリ性が空気中の炭酸ガスの侵入等により失われていく現象である。

設問の通りです。

 

コンクリートはpH12~13の強アルカリ性ですが、二酸化炭素と水酸化カルシウムなどのが反応することで、コンクリートのアルカリ性が低下します。中性化が進むと、鉄筋の周囲を包んでいるコンクリートのアルカリ性が低下し、鉄筋に水や酸素が浸透して腐食してコンクリートの耐久性が低下します。

選択肢2. 塩害は、コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進され、コンクリートのひび割れや剥離等を引き起こす現象である。

設問の通りです。

 

なお、塩害防止の観点から、コンクリート中の塩化物量総量には規制値が定められており、コンクリート中の塩化物イオン濃度の基準値は原則0.30kg/m3以下とされています。

選択肢3. 疲労は、荷重が繰返し作用することで、コンクリート中に微細なひび割れが発生し、やがて大きな損傷になる現象である。

設問の通りです。

 

選択肢4. 化学的侵食は、骨材中のシリカ分がセメント中のアルカリ分と化学反応を生じ、コンクリートのひび割れや崩壊を引き起こす現象である。

設問はアルカリシリカ反応について述べているものであり、設問は誤りです。

 

化学的侵食は、コンクリートが外部の化学物質と反応して劣化を起こす現象です。

まとめ

コンクリート劣化の原因として、一般的には 初期欠陥、中性化、塩害、アルカリシリカ反応、凍害、化学的腐食、疲労、摩耗・風化、構造・外力があげられます。

これらすべての内容を熟知する必要はないと思いますが、少しでも内容に触れておくと、予期せぬ問題が出題された場合でも正解に近づくことができると思います。

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