第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
理論 問14

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 理論 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

固有の名称をもつSI組立単位の記号と、これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • (SI組立単位の記号)F  (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)C/V
  • (SI組立単位の記号)W  (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)J/s
  • (SI組立単位の記号)S  (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)A/V
  • (SI組立単位の記号)T  (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)Wb/m2
  • (SI組立単位の記号)Wb (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)V/s

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この過去問の解説 (2件)

01

SIとは国際単位系とも呼ばれ、国際的に定められ、世界中で使用されている単位です。
SIはフランス語の「Système International d'unités」の略称です。
SI組立単位とは7つの基本単位m:メートル、kg:キログラム、s:セカンド(秒)、A:アンペア、K:ケルビン、mol:モル、cd:カンデラと2つの補助単位rad:ラジアン、sr:ステラジアンから組み立てられた単位です。

(1) 正しいです。
電荷Q[C]、静電容量C[F]、電圧V[V]とすると
Q[C]=C[F]・V[V]
となりますので、静電容量に対して単位だけで表しますと
[F]=[C]/[V]
となります。なお、SI基本単位だけで表現しますと
[F]=[m^-2・kg^-1・s^4・A^2]
となります。

(2) 正しいです。
電力量をE[J]、仕事率をW[W]、時間をT[s]とすると
E[J]=W[W]・T[s]
となりますので、仕事率に対して単位だけで表しますと
[W]=[J]/[s]
となります。なお、SI基本単位だけで表現しますと
[W]=[m^2・kg・s^-3]
となります。

(3) 正しいです。
コンダクタンスをG[S]、電圧をV[V]、電流をI[A]とすると
I[A]=G[S]・V[V]
となりますので、コンダクタンスに対して単位だけで表しますと
[S]=[A]/[V]
となります。なお、SI基本単位だけで表現しますと
[S]=[m^-2・kg^-1・s^3・A^2]
となります。

(4) 正しいです。
磁束をφ[Wb]、磁束密度をB[Wb/m^2=T]、面積をS[m^2]とすると
φ[Wb]=B[Wb/m^-2=T]・S[m^2]
となりますので、磁束密度に対して単位だけで表しますと
[Wb/m^-2=T]=[Wb]/[m^2]
となります。なお、SI基本単位だけで表現しますと
[Wb/m^-2=T]=[kg・s^-2・A^-1]
となります。

(5) 間違いです。
ファラデーの電磁誘導の法則から考えてみますと、誘導起電力をe[V]、磁束をφ[Wb]、時間をT[s]とすると
e[V]=-dφ[Wb]/dT[s]
となりますので、磁束に対して単位だけで表しますと
[Wb]=[V]・[s]
となります。なお、SI基本単位だけで表現しますと
[Wb]=[m^2・kg・s^-2・A^-1]
となります。

よって答えは5番となります。

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02

正解は5です。

SI組立単位は、下記の2種類があります。
・基本単位を組み合わせて表示されるSI組立単位(全7個)
  長さ      メートル  m
  質量     キログラム kg
  時間     秒     s
  電流      アンペア  A
  熱力学温度  ケルビン  K
  物質量    モル    mol
  光度     カンデラ  cd
 
・固有の名称と記号を与えられたSI組立単位(N、Pa、Jなど全22個)

1 .(SI組立単位の記号)F
 (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)C/V → 正しいです。
 静電容量F(ファラド)は、SI基本単位により表すと(m^-2・kg^-1・s^4・A^2)です。
 電荷C(クーロン)は(s・A)、電圧Vは(m^2・kg・s^-3・A^-1)より、下記のように変換することができます。
 (m^-2・kg^-1・s^4・A^2) = (s・A)・(m^-2・kg^-1・s^3・A^1) = (s・A) / (m^2・kg^1・s^-3・A^-1) = C/V
 よって正しいです。

2 .(SI組立単位の記号)W
 (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)J/s → 正しいです。
 仕事率W(ワット)は、SI基本単位により表すと(m^2・kg^1・s^-3)です。
 エネルギーJ(ジュール)は(m^2・kg^1・s^-2)より、下記のように変換することができます。
 (m^2・kg^1・s^-3) = (m^2・kg・s^-2)・(S^-1) = (m^2・kg^1・s^-2) / (S^1) = J/s
 よって正しいです。

3 .(SI組立単位の記号)S
 (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)A/V → 正しいです。
 コンダクタンスS(ジーメンス)は、SI基本単位により表すと(m^-2・kg^-1・s^3・A^2)です。
 電圧V(ボルト)は(m^2・kg・s^-3・A^-1)より、下記のように変換することができます。
 (m^-2・kg^-1・s^3・A^2) = A・(m^-2・kg^-1・s^3・A^1) = A / (m^2・kg^1・s^-3・A^-1) = A/V
 よって正しいです。

4 .(SI組立単位の記号)T
 (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)Wb/m^2
 磁束密度T(テスラ)は、SI基本単位により表すと(kg^1・s^-2・A^-1)です。
 磁束Wb(ウェーバ)は(m^2・kg^1・s^-2・A^-1)より、下記のように変換することができます。
 (kg^1・s^-2・A^-1) = (m^2・kg^1・s^-2・A^-1) / m^2 = Wb/m^2
 よって正しいです。

5 .(SI組立単位の記号)Wb
 (SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方)V/s → 誤りです。
 磁束Wb(ウェーバ)は、SI基本単位により表すと(m^2・kg^1・s^-2・A^-1)です。
 電圧Vは(m^2・kg・s^-3・A^-1)より、下記のように変換することができます。
 (m^2・kg^1・s^-2・A^-1) = (m^2・kg^1・s^-2・A^-1)・(s^-2) = V・s
 よって誤りです。

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