第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
理論 問16

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 理論 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

図のように、起電力Ea[V]、Eb[V]、Ec[V]をもつ三つの定電圧源に、スィッチS1、S2、R1=10Ω及びR2=20Ωの抵抗を接続した交流回路がある。次の問に答えよ。
ただし、Ea[V]、Eb[V]、Ec[V]の正の向きはそれぞれ図の矢印のようにとり、これらの実効値は100V、位相はEa[V]、Eb[V]、Ec[V]の順に2/3π[rad]ずつ遅れてれているものとする。

スイッチS1を開いた状態でスイッチS2を閉じたとき、R2[Ω]の抵抗で消費される電力の値[W]として、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

Ea’[V]、Eb’[V]、Ec’[V]、R2[Ω]、I2[A]にキルヒホッフの第二法則を適用しますと
Ea’+Eb’-Ec’=R2×I2’・・・・・①
となります。
ここでEb’[V]とEc’[V]はEa’[V]を基準にしますと実効値がE=100[V]でθ=2π/3[rad]ずつ遅れているので
Ea’= E(cosθ+jsinθ)=100×(cos0+jsin0)=100
Eb’=E(cosθ+jsinθ)=100×(cos(-2π/3)+jsin(-2π/3))=100×(-1/2-j√3/2)
Ec’=E(cosθ+jsinθ)=100×(cos(-2π/3-2π/3)+jsin(-2π/3-2π/3))=100×(-1/2+j√3/2)
となります。よってEa’+Eb’-Ec’は
Ea’+Eb’-Ec’=100+100×(-1/2-j√3/2)- 100×(-1/2+j√3/2)=100-j100√3・・・・・②
となります。
これは大きさが√(100^2+(100√3)^2)=200で位相はθ=tan^-1(-100√3/100)=tan^-1(-√3)=-60°のベクトルとなります。
①式と②式より
I2’=(Ea’+Eb’-Ec’)/R2=5-j5√3[A]
I2の大きさは
I2=√(5^2+(5√3)^2)=10[A]
となりますのでR2で消費される電力P2[W]は
P2=R2×I2^2=20×10^2=2000[W]
よって答えは4番の2000[W]となります。

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02

正解は4です。

スイッチS1を開いた状態でスイッチS2を閉じたとき、キルヒホッフの第2法則より、下記の関係が成り立ちます。
R2*I2 = Ea + Eb − Ec ・・・①

ここで、Ea、Eb、Ecは、実効値100[V]、位相がEa、Eb、Ecの順に2/3π[rad]ずつ遅れてれていることより、下記の式で求められます。
Ea = 100(cos0 + jsin0) = 100 ・・・②

Eb = 100(cos(-2π/3) + sin(-2π/3))
  = 100((-1/2) + (-j√3/2))
  = 100((-1/2) − (j√3/2)) ・・・③

Ec = 100(cos(-(2π/3)−(2π/3))) + sin(-(2π/3)−(2π/3)))
  = 100((-1/2) + (j√3/2)) ・・・④

①に②、③、④を代入すると、下記の計算となります。
R2*I2 = Ea + Eb - Ec
R2*I2 = 100 + 100((-1/2)−(j√3/2)) − 100((-1/2) + (j√3/2))
R2*I2 = 100 + 100(-j√3/2) − 100(j√3/2)
R2*I2 = 100 − j100√3
  I2 = (100 − j100√3)/R2
  I2 = (100 − j100√3)/20
  I2 = 5 − j5√3

これよりI2の実効値は、下記の計算となります。
I2 = √(5^2 + (5√3)^2) = √(25 + 75) = 10 [A]

R2[Ω]の抵抗で消費される電力の値P2は
P2 = R2 × I2^2 = 20 × 10^2 = 2000 [W]

よって4が正解となります。

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