第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
電力 問28

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 電力 問28 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、保護リレーに関する記述である。

電力系統において、短絡事故や地絡事故が発生した場合、事故区間は速やかに系統から切り離される。このとき、保護リレーで異常を検出し、( ア )を動作させる。架空送電線は特に距離が長く、事故発生件数も多い。架空送電線の事故の多くは( イ )による気中フラッシオーバに起因するため、事故区間を高速に遮断し、フラッシオーバを消滅させれば、絶縁は回復し、架空送電線は通電可能な状態となる。このため、事故区間の遮断の後、一定時間(長くて1分程度)を経て、( ウ )が行われる。一般に、主保護の異常に備え、( エ )保護が用意されており、動作の確実性を期している。

上記の記述中の空白箇所( ア )、( イ )、( ウ )及び( エ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • ( ア )遮断器  ( イ )落雷  ( ウ )保守   ( エ )常備
  • ( ア )断路器  ( イ )落雪  ( ウ )再閉路  ( エ )常備
  • ( ア )変圧器  ( イ )落雷  ( ウ )点検   ( エ )後備
  • ( ア )断路器  ( イ )落雪  ( ウ )点検   ( エ )後備
  • ( ア )遮断器  ( イ )落雷  ( ウ )再閉路  ( エ )後備

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

解答
電力系統において、短絡事故や地絡事故が発生した場合、事故区間は速やかに系統から切り離される。このとき、保護リレーで異常を検出し、(ア)「遮断器」を動作させる。架空送電線は特に距離が長く、事故発生件数も多い。架空送電線の事故の多くは(イ)「落雷」による気中フラッシオーバに起因するため、事故区間を高速に遮断し、フラッシオーバを消滅させれば、絶縁は回復し、架空送電線は通電可能な状態となる。このため、事故区間の遮断の後、一定時間(長くて1分程度)を経て、(ウ)「再閉路」が行われる。一般に、主保護の異常に備え、(エ)「後備」保護が用意されており、動作の確実性を期している。

よって答えは5番の(ア)遮断器、(イ)落雷、(ウ)再閉路、(エ)後備となります。

解説
(ア)遮断器は故障電流を遮断する機能があり、断路器は電路の開閉や接続替えなど無負荷に近い状態で電路を開閉します。
(イ)架空送電線の落雪による事故は「スリートジャンプ」がありますが、事故の多くは落雷によるものです。
(ウ)再閉路時間には高速(約0.5~1秒)、中速(約3~10秒)、低速(約30~60秒)があります。
(エ)主保護とは故障に対してまず動作が期待される第一の保護方式であり、故障が発生した保護範囲だけを選択遮断することを第一の目的としています。
しかし、何らかの原因で主保護動作に失敗した場合を考えて後備保護が用意されています。

参考になった数4

02

正解は5です。

保護リレーは、電力系統又は電力設備などに発生した異常状態(系統事故)を短時間で検出し、事故が発生した箇所を他の健全部からすばやく切り離すように指令を出す装置です。

電力系統事故の原因で多いのは、落雷であり、超高圧架空送電線は送電電力が大きく、系統上の重要度も大きいため、事故は短時間で復旧する必要があります。

架空送電線の絶縁は碍子のみによる気中絶縁のため、事故が発生し、異常電圧によるフラッシオーバが起きた場合、いったん故障箇所を遮断すれば、ほとんどの場合絶縁は回復します。

復旧には架空送電線の場合、再閉路方式の採用されます。
事故から復帰までは、下記のような流れととなります。
事故発生→保護装置が事故を検出→保護装置からの遮断指令により遮断器動作→送電線停止とともに事故除去
一定時間後に保護装置から遮断器へ投入指令→遮断器投入とともに送電開始

なお、保護リレーは主保護が万が一失敗することも考慮に入れ、後備保護リレーが動作するよう設置されています。

よって、
5 .( ア )遮断器 ( イ )落雷 ( ウ )再閉路 ( エ )後備
が正解となります。

参考になった数1