第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
電力 問31

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 電力 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、架空送電線の多導体方式に関する記述である。

送電線において、1相に複数の電線を( ア )を用いて適度な間隔に配置したものを多導体と呼び、主に超高圧以上の送電線に用いられる。多導体を用いることで、電線表面の電位の傾きが( イ )なるので、コロナ開始電圧が( ウ )なり、送電線のコロナ損失、雑音障害を抑制することができる。
多導体は合計断面積が等しい単導体と比較すると、表皮効果が( エ )。また、送電線の( オ )が減少するため、送電容量が増加し系統安定度の向上につながる。

上記の記述中の空白箇所( ア )、( イ )、( ウ )、( エ )及び( オ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • ( ア )スペーサ     ( イ )大きく  ( ウ )低く  ( エ )大きい  ( オ )インダクタンス
  • ( ア )スペーサ     ( イ )小さく  ( ウ )高く  ( エ )小さい  ( オ )静電容量
  • ( ア )シールドリング  ( イ )大きく  ( ウ )高く  ( エ )大きい  ( オ )インダクタンス
  • ( ア )スペーサ     ( イ )小さく  ( ウ )高く  ( エ )小さい  ( オ )インダクタンス
  • ( ア )シールドリング  ( イ )小さく  ( ウ )低く  ( エ )大きい  ( オ )静電容量

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この過去問の解説 (2件)

01

送電線において、1相に複数の電線を(ア)「スペーサ」を用いて適度な間隔に配置したものを多導体と呼び、主に超高圧以上の送電線に用いられる。多導体を用いることで、電線表面の電位の傾きが(イ)「小さく」なるので、コロナ開始電圧が(ウ)「高く」なり、送電線のコロナ損失、雑音障害を抑制することができる。
多導体は合計断面積が等しい単導体と比較すると、表皮効果が(エ)「小さい」。また、送電線の(オ)「インダクタンス」が減少するため、送電容量が増加し系統安定度の向上につながる。

よって答えは4番の(ア)スペーサ、(イ)小さく、(ウ)高く、(エ)小さい、(オ)インダクタンスとなります。

解説
多導体とは送電線の1相分の電線として2本以上の電線を使用したものです。
2~6本の電線を20~90mごとにスペーサで30~50cm間隔に並列に架設する方式です。
特徴としては
①電流容量が大きくとれるので送電容量が増加します。
②電線のインダクタンスが減少しますが、静電容量は増加します。
③電線の表面電位傾度が低下するので、コロナが発生しにくいです。
④インダクタンスが減少するので、系統安定度が向上します。
なお、構造が複雑となり風圧が大きくなります。また、鉄塔部材が大きくなります。

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02

正解は4です。

154 kV以上の超高圧送電線で、送電線の電線本数を一導体ではなく、複数本の導体で構成するものを「多導体方式」といいます。

送電線は電位が高くなるとコロナ放電が大きくなり、コロナ損が発生します。電線を複数本に分割することにより、コロナ放電を防止する方式です。

また多導体は合計断面積が等しい単導体と比較すると、導体の表面積が増えるため、対地静電容量が大きくなり、送電線のインダクタンスが下がり、線路リアクタンスも減少します。

よって、
4 .( ア )スペーサ  ( イ )小さく  ( ウ )高く
 ( エ )小さい  ( オ )インダクタンス
が正解となります。

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