第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
機械 問43

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 機械 問43 (訂正依頼・報告はこちら)

界磁磁束を一定に保った直流電動機において、0.5Ωの抵抗値をもつ電機子巻線と直列に始動抵抗(可変抵抗)が接続されている。この電動機を内部抵抗が無視できる電圧200Vの直流電源に接続した。静止状態で電源に接続した直後の電機子電流は100Aであった。
この電動機の始動後、徐々に回転速度が上昇し、電機子電流が50Aまで減少した。トルクも半分に減少したので、電機子電流を100Aに増やすため、直列可変抵抗の抵抗値をR1[Ω]からR2[Ω]に変化させた。R1及びR2の値の組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、ブラシによる電圧降下、始動抵抗を調整する間の速度変化、電機子反作用及びインダクタンスの影響は無視できるものとする。
  • (R1)2.0  (R2)1.0
  • (R1)4.0  (R2)2.0
  • (R1)1.5  (R2)1.0
  • (R1)1.5  (R2)0.5
  • (R1)3.5  (R2)1.5

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この過去問の解説 (2件)

01

解答・解説
直流電動機は静止状態では誘導起電力E[V]は発生しないので、電機子巻線抵抗をRa=0.5[Ω]、電源電圧V=200[V]、静止時の電機子電流Ia=100[A]としますと始動抵抗R1[Ω]は
V=E+(Ra+R1)×Ia・・・・・①
200=0+(0.5+R1)×100
よって
R1=200/100-0.5=1.5[Ω]

次に電動機始動後はIa=50[A]となるので①式より
200=E+(0.5+1.5)×50
よって
E=200-(0.5+1.5)×50=100[V]
となります。誘導起電力E[V]は回転速度と磁束に比例しますが、今回は磁束が一定であり、回転速度も一定となるので、Eは一定となります。
電機子電流をIa=100[A]まで増やすためにR2[Ω]に変化させたとしますと①式は
V=E+(Ra+R2)×Ia
200=100+(0.5+R2)×100
よって
R2=(200-100)/100-0.5=0.5[Ω]

よって答えは4番のR1=1.5[Ω]、R2=0.5[Ω]となります。

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02

正解は4です。

直流電動機が静止状態で電源に接続した直後、その時の電機子電流 I = 100 [A]、電圧 E = 200 [V]、電機子巻線抵抗値 R = 0.5 [Ω]とした場合、直列可変抵抗の抵抗値 R1 [Ω]は、下記のように計算できます。
E = (R + R1) × I
R1 = (E/I) − R
  = (200/100) − 0.5
  = 2 − 0.5
  = 1.5 [Ω]

直流電動機が始動後、直列可変抵抗の抵抗値を R1 = 1.5 [Ω]での誘導起電力E'は、電機子電流 I = 50 [A]、電機子巻線抵抗値 R = 0.5 [Ω]より、下記のように計算できます。
E' = (R + R1) × I
 = (0.5 + 1.5) × 50
 = 2 × 50
 = 100 [V]

電機子電流を I = 50 [A]から I' = 100 [A]に増やすため、直列可変抵抗の抵抗値をR2に変更した場合、下記の関係が成り立ち、R2を求めることができます。
E' = (R + R2) × I'
R1 = (E'/I') − R
  = (100/100) − 0.5
  = 1 − 0.5
  = 0.5 [Ω]

よって、
4 .(R1)1.5  (R2)0.5
が正解となります。

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