第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
法規 問79

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 法規 問79 (訂正依頼・報告はこちら)

ある需要家では、図1に示すように定格容量300kV·A、定格電圧における鉄損430W及び全負荷銅損2800Wの変圧器を介して配電線路から定格電圧で受電し、需要家負荷に電力を供給している。この需要家には出力150kWの太陽電池発電所が設置されており、図1に示す位置で連系されている。
ある日の需要家負荷の日負荷曲線が図2であり、太陽電池発電所の発電出力曲線が図3であるとするとき、次の問に答えよ。
ただし、需要家の負荷力率は100%とし、太陽電池発電所の運転力率も100%とする。なお、鉄損、銅損以外の変圧器の損失及び需要家構内の線路損失は無視するものとする。

変圧器の1日の損失電力量の値[kW·h]として、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2番の、11.8[kwh]です。


【解説】

①鉄損を求めます。
 鉄損は負荷と無関係なので、430[kW]*24[h]になります。

②銅損を求めます。
まず、日負荷曲線から太陽光出力曲線を引いて変圧器負荷曲線を求めます。この負荷の2乗に比例します。全負荷銅損が2800[W]なので、この値は300[kVA]のときの銅損になります。

①+②が答えになります。



【計算】

①鉄損を求めます。

 430*24=10320[Wh]=10.32[kWh]


②銅損を求めます。

変圧器負荷と時間の関係は以下の通りとなります。
 20kW:12h
 40kW:6h
 60kW:2h
 80kW:4h

上記より銅損を求めます。

 2.8*{(20/300)^2*12+(40/300)^9*6+(60/300)^2*2+(80/300)^2*4}
 ≒1.47[kWh]


①+②=10.32+1.47≒11.8[kWh]

となります。

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02

まず、1日あたりの鉄損を求めます。
鉄損は、負荷がかかっていなくても発生するので、単純に24時間分を乗ずることで求められます。

1日当たりの鉄損[kwh]=鉄損[kw]×24[h]
=430[kw]×24[h]
=10.32[kwh]

次に銅損を求めます。
銅損は、負荷によって変化するため、日負荷曲線を見る必要があります。
ここで、図1の配線図から、図2の日負荷曲線から図3の太陽光電池発電所発電出力曲線を差し引けば、変圧器を介して発電された電力を求めることができます。
例えば、6時から8時の変圧器出力は、日負荷曲線-太陽光電池発電所発電出力曲線で図2および図3より下記のようになります。

60[kw]-20[kw]=40[kw]

銅損は電力の二乗で表せます。また、全負荷(300[kVA])のときの銅損が2.8[kw]なので、上記で求めた変圧器出力に応じて案分すると、下記のようになります。

銅損=2.8×1/300^2(80^2×4[h]+60^2×2[h]+
40^2×6[h]+20^2×12[h])
=1.47[kwh]

損失は鉄損と銅損の和であるから、下記のようになります。

損失=10.32[kwh]+1.47[kwh]
=11.79[kwh]

よって、(2)が回答です。

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