第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和3年度(2021年)
問28 (電力 問28)
問題文
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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和3年度(2021年) 問28(電力 問28) (訂正依頼・報告はこちら)
- 太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は、インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると、系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。
- 分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として、分散型電源の出力抑制や、電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。
- 小水力発電では、河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。
- 洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では、海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。ケーブルでの直流送電のメリットとして、誘電損を考慮しなくてよいことなどが挙げられる。
- 一般的な燃料電池発電は、水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり、負荷変動に対する応答が早い。
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この過去問の解説 (3件)
01
分散電源として設置される新エネルギー発電の特徴に関する問題です。
問題文にある通り、太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合、インバータにより直流を交流に変換します。
また、連系保護装置を用いることで、系統の停電時や事故などに場合に電力の供給を止めることができます。
問題文の通り、分散型電源からの逆潮流による系統電圧が規定電圧を上回る上昇が見られた場合、「分散型電源の出力抑制」「電圧調整器を用いた電圧の制御」などによって調整が行われます。
問題文の通り、小水力発電では、河川や用水路などでの流込み式発電が用いられることが多いです。
その主な理由には、建設による環境負荷が少ない、自動運転が容易などがあります。
一方で、発電量が水量に左右される、設置時の法律的手続きが煩雑などのデメリットもあることを理解しておきましょう。
問題文の通り、洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では、海底ケーブルによる直流送電が用いられることがあります。
直流送電のメリットは、誘電損の他に充電電流、渦電流損などの損失の考慮をする必要がない、設備費が交流送電よりも安いなどが挙げられます。
誤りです。
水素と酸素の化学反応は吸熱反応ではなく「発熱反応」です。
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02
1.太陽電池はインバータにより直流を交流に変換して送電しています。
→正しいです。
2.分散型電源の電圧抑制方法として、出力制限やAVR等を用いた電圧調整があります。
→正しいです。
3.小水力発電では、流れ込み式発電が用いられることが多いです。
→正しいです。
4.直流送電に海底ケーブルを用いると、直流のため誘電損を考慮しなくてもよいです。
→正しいです。
5.燃料電池の仕組みは、負極に送り込む水素を燃料とし、正極に送り込む酸素を酸化剤として、電解液の中で反応させ電気エネルギーを得るものです。
つまり、水素と酸素の酸化反応を利用しています。
→誤りです。
よって、正解は5です。
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03
分散型電源に関する問題です。
分散型電源は従来の大規模な発電設備ではなく主に太陽光、風力、水力、燃料電池、バイオマスなどの再生可能エネルギーを利用した電源となっています。
課題として電力系統との連携において電圧変動、高調波、周波数変動の対策が必要となります。
この問題は各種分散型電源における記述で誤った記述を選択する問題です。
それぞれの選択肢を見ていきましょう。
インバータは直流電力を交流電力に変換する逆変換装置で、太陽電池で発生させる電力は直流電力となるため太陽光発電設備では必ず用いられパワーコンディショナーという機器を設置します。パワーコンディショナーは電圧の逆変換機能の他に系統連系保護機能が備えられており系統の停電時などに電力の供給を止めることができます。よってこの記述は適切です。
逆潮流とは分散型電源から系統側へ送る電圧が系統側の電圧よりも高くなることで、対策として出力抑制や、電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われます。よってこの記述は適切です。
大規模な水力発電設備ではダムや調整池を利用した発電設備となりますが、小水力発電設備は河川や用水路などを利用した流込み式発電が主流となっています。よってこの記述は正しいです。
洋上の風力発電設備では陸上の系統側までに電力を供給する際、距離が長くなるため交流電力を用いると誘電損の影響が大きくなります。直流送電であれば誘電損の影響がないので、対策の一つとして用いられています。よってこの記述は適切です。
一般的な燃料電池発電は、水素と酸素との発熱反応となります。よってこの記述は誤りです。
分散型電源に関する問題は近年頻出しており、ある程度パターン化されている印象があるので重点的に学習されることをお薦めいたします。
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