第三種電気主任技術者の過去問
令和3年度(2021年)
電力 問33

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和3年度(2021年) 電力 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

地中送電線路に使用される電力ケーブルの許容電流に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
  • 電力ケーブルの絶縁体やシースの熱抵抗、電力ケーブル周囲の熱抵抗といった各部の熱抵抗を小さくすることにより、ケーブル導体の発熱に対する導体温度上昇量を低減することができるため、許容電流を大きくすることができる。
  • 表皮効果が大きいケーブル導体を採用することにより、導体表面側での電流を流れやすくして導体全体での電気抵抗を低減することができるため、許容電流を大きくすることができる。
  • 誘電率、誘電正接の小さい絶縁体を採用することにより、絶縁体での発熱の影響を抑制することができるため、許容電流を大きくすることができる。
  • 電気抵抗率の高い金属シース材を採用することにより、金属シースに流れる電流による発熱の影響を低減することができるため、許容電流を大きくすることができる。
  • 電力ケーブルの布設条数(回線数)を少なくすることにより、電力ケーブル相互間の発熱の影響を低減することができるため、1条当たりの許容電流を大きくすることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

地中送電線路に使用される電力ケーブルの許容電流に関する問題です。

選択肢1. 電力ケーブルの絶縁体やシースの熱抵抗、電力ケーブル周囲の熱抵抗といった各部の熱抵抗を小さくすることにより、ケーブル導体の発熱に対する導体温度上昇量を低減することができるため、許容電流を大きくすることができる。

正しいです。

熱抵抗が小さいとは、放熱しやすいということなので、それだけケーブル導体の発熱による影響を小さくできます。

選択肢2. 表皮効果が大きいケーブル導体を採用することにより、導体表面側での電流を流れやすくして導体全体での電気抵抗を低減することができるため、許容電流を大きくすることができる。

誤りです。

表皮効果が大きいと、導体中心で電流が流れなくなってしまうので、導体全体で電流が流れにくくなってしまいます。

選択肢3. 誘電率、誘電正接の小さい絶縁体を採用することにより、絶縁体での発熱の影響を抑制することができるため、許容電流を大きくすることができる。

正しいです。

誘電率、誘電正接の小さい絶縁体を採用すると誘電損失が小さくなるので、許容電流を大きくすることができます。

選択肢4. 電気抵抗率の高い金属シース材を採用することにより、金属シースに流れる電流による発熱の影響を低減することができるため、許容電流を大きくすることができる。

正しいです。

シースに電流が流れることで発生する損失をシース損と言います。

電気抵抗率の高い金属シース材を採用すれば、流れる電流が減るので損失も小さくなります。

選択肢5. 電力ケーブルの布設条数(回線数)を少なくすることにより、電力ケーブル相互間の発熱の影響を低減することができるため、1条当たりの許容電流を大きくすることができる。

正しいです。

たくさんケーブルがあればそれだけ温度も上がりやすくなります。裏を返せば、ケーブルの回線数を減らせば1条当たりの許容電流を大きくすることができます。

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02

1.熱抵抗を大きくすることで、導体の温度上昇を抑えることができるので、許容電流を大きくできます。

→正しいです。

2.表皮効果が大きいと、導体表面に電流分布が集中するため、導体全体の電気抵抗は増加します。

→誤りです。

3.誘電率、誘電正接の小さい絶縁体を使用することで、絶縁体での発熱の影響を抑制することができるため、許容電流を大きくすることができます。

→正しいです。

4.電気抵抗率の高いシースを使用するとシース電流の発熱が抑えられ、導体の許容電流が増加します。

→正しいです。

5.電力ケーブルの布設条数(回線数)を少なくすることにより、電力ケーブル相互間の発熱の影響を低減することができるため、1条当たりの許容電流を大きくすることができます。

→正しいです。

よって正解は2です。

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