第三種電気主任技術者の過去問
令和3年度(2021年)
電力 問34
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和3年度(2021年) 電力 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
単相3線式配電方式は、1線の中性線と、中性線から見て互いに逆位相の電圧である2線の電圧線との3線で供給する方式であり、主に低圧配電線路に用いられる。100/200V単相3線式配電方式に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
- 電線1線当たりの抵抗が等しい場合、中性線と各電圧線の間に負荷を分散させることにより、単相2線式と比べて配電線の電圧降下を小さくすることができる。
- 中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡な状態で中性線が切断されると、容量が大きい側の負荷にかかる電圧は低下し、反対に容量が小さい側の負荷にかかる電圧は高くなる。
- 中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡であると、平衡している場合に比べて電力損失が増加する。
- 単相100V及び単相200Vの2種類の負荷に同時に供給することができる。
- 許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合、電線1線当たりの供給可能な電力は、単相2線式よりも小さい。
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この過去問の解説 (2件)
01
単相3線式配電方式に関する問題です。
正しいです。
単相3線式では負荷が平衡していれば中性線に電流が流れないので、配電線による電圧降下が片道分になります。つまり単相2線式と比べて電圧降下が小さくなります。
正しいです。
中性線が切断された場合、平衡負荷であれば200Vが均等に分圧されて100V、つまり切断前と同じ電圧がかかるだけですが、負荷が不平衡だと容量が小さい側の負荷に大きな電圧がかかります。
正しいです。
負荷が不平衡だと中性線にも電流が流れるので、それだけ損失が大きくなります。
正しいです。
単相3線式では、各電圧線と中性線をつなげば100V、各電圧線同士をつなげば200Vを供給できます。
誤りです。
単相2線式、単相3線式それぞれについて電線1線当たりの供給可能な電力を考えると、単相2線式ではP/2、単相3線式では2P/3となるので、単相3線式の方が大きくなります。
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02
1.負荷を適切に分散させた場合、中性線に流れる電流はゼロになります。
この場合、単相2線式に比べて、各負荷の電圧降下は小さくなります。
→正しいです。
2.不平衡な負荷で中性線が切断された場合、直列負荷に200Vの電圧が印加された状態になります。
その際の各負荷にかかる電圧は、負荷容量の逆比で分圧されます。
そのため、容量の大きい負荷には小さな電圧が、小さな負荷には大きな電圧がかかるようになります。
→正しいです。
3.負荷のアンバランスが発生すると、中性線に電流が流れ、その抵抗分により電力損失が増大します。
→正しいです。
4.単相3線式は中性線から2線の電圧線をみると単相100Vが取り出せます。
また電圧線間でみると単相200Vが取り出せるため、2種類の電圧を取り出すことができます。
→正しいです。
5.ある負荷に電力を供給しているとすると一線当たりの供給電力は
単相2線式 負荷 VIcosφ÷2
単相3線式 負荷 2VIcosφ÷3
よって、1線当たりで供給できる電力は、単相2線式で50.0%に対し、単相3線式では66.6%になるので、単相3線式のほうが供給可能な電力は大きいです。
→誤りです。
よって正解は5です。
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