第三種電気主任技術者の過去問 令和4年度(2022年)上期 理論 問10
この過去問の解説 (2件)
まず、スイッチSが開いた場合の、コンデンサC1に蓄えられた静電エネルギーW1について求めます。
W1 = Q12/(2×C1)
= 0.32/(2×4×10-3)
= 11.25[J]
なお、このときのコンデンサC2では、電荷が0であるため、静電エネルギーも0であることが分かるので、計算に含む必要はありません。
次に、スイッチSを閉じると、各コンデンサC1、C2は並列接続となり、
合成後のコンデンサの静電容量をC12、静電エネルギーをW2とすると、
C12 = C1+C2 = 6[mF]
であり、これを静電エネルギーW2の式に代入すると、
W2 = Q12/(2×C12)
= 0.32/(2×6×10-3)
= 7.5[J]
となります。
スイッチSの開閉前後で生じた静電エネルギーの変化分が、
抵抗Rで消費されるため、
W1−W2 = 11.25−7.5
= 3.75[J]
よって、3.75[J]が抵抗Rで消費されることになります。
こちらが正しいです。
コンデンサ間の電荷移動による静電エネルギーの変化に関する計算問題です。
◆静電エネルギーWの公式
W = (1/2) × CV2
この問題ではスイッチが開いている時に加わる電圧が不明なので、
Q=CVの公式を変形・代入し、電圧以外のパラメーターで求められるようにします。
W = (1/2) × CV2
= (1/2) × QV
= Q2/2C
この式を利用して、スイッチの開閉時の場合について、それぞれ計算していきます。
◆スイッチが開いている時、コンデンサC1に蓄えられるエネルギーW1
W1 = Q12 / 2C1
= (0.3)2 / (2×4×10ー3)
= 11.25 [J]
◆スイッチが閉じている時にコンデンサC1とコンデンサC2に蓄えられるエネルギーW2
コンデンサの特性により、蓄えられる総電荷Qは0.3[C]となります。
・スイッチが閉じている時に加わる電圧V
Q = CVを応用・変形し、
Q = C1V + C2V
= (C1+C2)V
V = Q / (C1+C2)
= 0.3 / {(4×10ー3) + (2×10ー3)}
= 50 [V]
・コンデンサC1とコンデンサC2に蓄えられるエネルギーW2は
W2 = ((1/2)×C1V2) + ((1/2)×C2V2)
= (V2/2) × (C1+C2)
= (502/2) × {(4×10ー3) + (2×10ー3)}
= 7.5[J]
◆抵抗で消費されたエネルギーWR
WR = W1 − W2
= 11.25 − 7.5
= 3.75 [J]
となります。
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