第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)上期
電力 問16(1)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)上期 電力 問16(1) (訂正依頼・報告はこちら)

定格容量80MV・A、一次側定格電圧33kV、二次側定格電圧11kV、百分率インピーダンス18.3%(定格容量ベース)の三相変圧器TAがある。三相変圧器TAの一次側は33kVの電源に接続され、二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは、1.5%(系統基準容量ベース)とする。ただし、系統基準容量は80MV・Aである。なお、抵抗分及びその他の定数は無視する。次の問に答えよ。

将来の負荷変動等は考えないものとすると、変圧器TAの二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として、最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
  • 5
  • 8
  • 12.5
  • 20
  • 25

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この過去問の解説 (3件)

01

この変圧器全体の百分率インピーダンスは、電源側の1.5%と変圧器側の18.3%を足せば良い(どちらの値も80MV・A基準であるので、そのまま足して問題ない)ので、

全体の百分率インピーダンス%Zは、

 %Z = 1.5+18.3

   = 19.8[%]

となります。

次に、二次側に流れる定格電流 I2を求めます。

定格容量をS、二次側電圧をV2とすると、

 I2 = S/(√3V2)

  = (80×103)/(√3×11×103)

  ≒ 4.2[kA]

となります。

さらに二次側に発生する短絡電流 IS2を求めると、

 IS2 = (100×I2) / %Z

   = (100×4.2) / 19.8

   ≒ 21.2[kA]

となります。

二次側に設置する遮断器は、この21.2kAの短絡電流を十分に遮断する必要があります。

これより大きく、かつ5つの選択肢中で最も近い値としては、「25」が適当です。

選択肢5. 25

こちらが適切です。

参考になった数2

02

電力 R4上 問16 a

百分率インピーダンス%Zは、

%Z = 1.5+18.3

   = 19.8[%]

二次側定格電流:In

二次側定格電圧:V2n

定格容量:S

In = S/(√3×V2n)

  = 80×103/(√3×11)

  ≒ 4199[A]

二次側短絡電流:Is

Is = In%Z

  = 4199×100/(19.8)

  ≒ 21207 [A]

  ≒ 21.2 [kA]

20< Is <25

25[kA]

参考になった数0

03

変圧器に設置する遮断器の定格遮断電流に関する計算問題です。

計算に必要な値は以下の通りです。

 三相変圧器TAの定格容量:P = 80 [MV・A] = 80×103 [kV・A]

 三相変圧器TAの二次側定格電圧:V2n = 11 [kV]

 三相変圧器TAの百分率インピーダンス:%zA = 18.3 [%]

 電源の百分率内部インピーダンス:%z = 1.5 [%]

 定格遮断電流:Is [kA]

この問題に必要な公式は以下の通りです。

 Is = In/%z0 [A] …①

 P = √3×Vn×In [V・A] …②

 ※Inは定格電流、%z0は電線路合計の百分率インピーダンス、Vnは定格電圧を表しています。

選択肢5. 25

◆②より、定格電流を求めます。

P = √3×Vn×Inより

 In = P/(√3×Vn)

ここで、遮断器が設置されているのが二次側なので、定格電圧は二次側を計算に使用します。

 In = P/(√3×V2n)

  = 80×103/(√3×11)

  ≒ 4199[A]

※定格電圧と単位を揃えるため、定格容量を[MV・A]で与えられたものを[kV・A]にしています。

◆①より、定格遮断電流を求めます。

 Is = In/%z0

  = In/(%z+%zA)

  = 4199/(0.015+0.183)

  ≒ 21207 [A]

  ≒ 21.2 [kA]

よって、遮断器の定格遮断電流として最も適当なのは、

21.2[kA]より大きい25 [kA]となります。

参考になった数0