第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問31 (電力 問9)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問31(電力 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、送電線路における架空地線に関する記述である。

送電線路の鉄塔の上部に十分な強さをもった( ア )を張り、鉄塔を通じて接地したものを架空地線といい、送電線への直撃雷を防止するために設置される。
図において、架空地線と送電線とを結ぶ直線と、架空地線から下ろした鉛直線との間の角度θを( イ )と呼んでいる。この角度が( ウ )ほど直撃雷を防止する効果が大きい。
架空地線や鉄塔に直撃雷があった場合、鉄塔から送電線に( エ )を生じることがある。これを防止するために、鉄塔の接地抵抗を小さくするような対策が講じられている。

上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • ア:裸線    イ:遮へい角  ウ:小さい  エ:逆フラッシオーバ
  • ア:絶縁電線  イ:遮へい角  ウ:大きい  エ:進行波
  • ア:裸線    イ:進入角   ウ:小さい  エ:進行波
  • ア:絶縁電線  イ:進入角   ウ:大きい  エ:進行波
  • ア:裸線    イ:進入角   ウ:大きい  エ:逆フラッシオーバ

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この過去問の解説 (2件)

01

送電線路における架空地線に関する穴埋め問題です。

選択肢1. ア:裸線    イ:遮へい角  ウ:小さい  エ:逆フラッシオーバ

架線は鉄塔の一番上にある裸線で、遮へい角θが小さいほど直撃雷を防止する効果が高くなっています。

架空地線や架線に直撃雷があった場合、鉄塔から送電線に生じる現象を逆フラッシュオーバと言います。

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02

この問題を解くポイントは、架空地線の役割と直撃雷防止のメカニズムです。

それでは問題を見ていきましょう。

選択肢1. ア:裸線    イ:遮へい角  ウ:小さい  エ:逆フラッシオーバ

送電線路の鉄塔の上部には、送電線を直撃雷から保護するために架空地線が設置されています。

この架空地線は雷を地面に導く役割を果たし、送電線への直撃を防ぐことで、設備の損傷や停電を防ぎます。

 

(ア)の解答:架空地線

架空地線は送電線よりも高い位置に張られ、雷を直接受けることで鉄塔を介して地面へと放電します。

これにより、送電線自体には雷の電流が流れにくくなります。

一方で、「絶縁雷線」というものは存在しません。

 

架空地線と送電線を結ぶ直線と、架空地線から地面へと降下する雷の経路との間にできる角度を「進入角」と呼びます。

 

(イ)の解答:進入角

進入角は、小さいほど直撃雷を防ぐ効果が高くなります。

進入角が大きいと、架空地線と送電線が雷の通り道に並んでしまうため、送電線にも雷が到達しやすくなります。

 

(ウ)の解答:小さい

進入角が小さいほど、雷の通り道と架空地線が効果的に分離され、送電線が直撃を受けるリスクが低くなります。

 

架空地線や鉄塔に雷が落ちた場合、鉄塔が接地していないと送電線側へ電流が流れ込んでしまうことがあります。

この現象を「逆フラッシャオーバ」と呼びます。

 

(エ)の解答:逆フラッシャオーバ

逆フラッシャオーバは、鉄塔の接地抵抗が高い場合に発生しやすくなります。

接地抵抗を小さくすることで、雷電流が速やかに地面へと流れ、送電線への影響を最小限に抑えることができます。

まとめ

架空地線は送電線を直撃雷から守る重要な設備です。

進入角を小さくし、鉄塔の接地を適切に行うことで、雷害を防ぐことができます。

一言知識

雷の電圧は数百万Vにも達しますが、適切な避雷設備を設けることで送電設備への影響を最小限に抑えることができます。

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