第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問32 (電力 問10)
問題文
我が国の地中送電線路に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問32(電力 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
我が国の地中送電線路に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 地中送電線路は、電力ケーブルを地中に埋設して送電する方式である。同じ送電容量の架空送電線路と比較して建設費が高いが、都市部においては用地の制約や、保安、景観などの点から地中送電線路が採用される傾向にある。
- 主な電力ケーブルには、架橋ポリエチレンを絶縁体としたCVケーブルと、絶縁紙と絶縁油を組み合わせた油浸紙を絶縁体としたOFケーブルがある。OFケーブルには油通路が設けられており、絶縁油の加圧によりボイドの発生を抑制して絶縁強度を確保するための給油設備が必要である。
- 電力ケーブルの電力損失において、抵抗損とシース損はケーブルの導体に流れる電流に起因した損失であり、誘電体損は電圧に対して絶縁体に流れる同位相の電流成分に起因した損失である。CVケーブルとOFケーブルの誘電体損では、一般にOFケーブルの方が小さい。
- 電力ケーブルの布設方法において、直接埋設式は最も工事費が安く、工期が短いが、ケーブル外傷等の被害のリスクが高く、ケーブル布設後の増設も難しい。一方で、管路式と暗きょ式(洞道式)は、ケーブル外傷等のリスク低減やケーブル布設後の増設にも優れた布設方式である。中でも暗きょ方式は、電力ケーブルの熱放散と保守の面で最も優れた布設方式である。
- 地中送電線路で地絡事故や断線事故が発生した際には、故障点位置標定が行われる。故障点位置標定法としては、地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法が適用でき、断線事故にはパルスレーダ法と静電容量測定法が適用できる。
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この過去問の解説 (2件)
01
地中送電線路に関する記述の中から、誤っているものを選択する問題です。
問題文の通りです。
問題文の通りです。
誘電体損は、一般にOFケーブルの方が誘電体損が大きくなっています。
従って、この選択肢が誤りです。
問題文の通りです。
問題文の通りです。
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02
この問題を解くポイントは、地中送電線路の基本構造と、それぞれのケーブルの特性を理解することです。
地中送電線は、電力ケーブルを地中に埋設して送電する方式です。
都市部では用地の確保や景観保護の観点から、架空送電線よりも採用される傾向があります。
それでは問題を見ていきましょう。
正しい記述です。
地中送電線は架空送電線と比べて建設費が高いですが、景観や用地確保のメリットがあります。
正しいです。
主要なケーブルにはVケーブル(架橋ポリエチレンを使用したもの)とOFケーブル(油絶縁ケーブル)があります。
OFケーブルは絶縁油が必要なため、維持管理が重要です。
誤りです。
CVケーブルとOFケーブルを比較した場合、一般的にCVケーブルの方が誘電率や絶縁抵抗が高く、
電気的な損失が少ないため「誘電体は一般にOFケーブルの方が小さい」という記述は正しくありません。
正しいです。
地中ケーブルの布設方式には「直接埋設式」「管路式」「暗きょ式」があり、それぞれの環境に適した方法が選ばれます。
正しいです。
地中送電線では、故障が発生した際の位置特定が重要です。
地絡事故の場合はパルスレーダ法、断線事故や静電容量測定法が用いられます。
地中送電線の主要ケーブルにはCVケーブルとOFケーブルがあり、それぞれの特性を理解することが重要です。
一言知識
地中送電線はメンテナンスが困難なため、信頼性を高めるために高品質な絶縁材料が使用されます。
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