第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問71 (法規 問7)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問71(法規 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義に関する記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
  • 単独運転とは、分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に無効電力を供給している状態をいう。
  • 自立運転とは、分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態をいう。
  • 逆充電とは、分散型電源設置者の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。
  • 受動的方式の単独運転検出装置とは、分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。
  • 能動的方式の単独運転検出装置とは、単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

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この過去問の解説 (3件)

01

分散型電源の系統連系に関する正しい記述を選択する問題となります。

ポイントは分散型電源の問題で、頻出しているワードを理解しているかになります。

それぞれの選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 単独運転とは、分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に無効電力を供給している状態をいう。

この記述は誤りとなります。文中に線路負荷に無効電力とありますが正しくは有効電力となります。

もし電力系統に事故が起きた時、分散型電源から有効電力を供給してしまうと電力系統の事故点にまで達してしまうので、より重大災害となってしまいます。

選択肢2. 自立運転とは、分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態をいう。

この記述は正しいです。

文中にある解列とは電力系統から分散型電源を切り離した状態を言います。解列された後に構内負荷にのみ電力を供給している状態は電力系統に影響を与えていないので問題ありません。

選択肢3. 逆充電とは、分散型電源設置者の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。

この記述は誤りです。文中の説明は「逆潮流」の説明となります。

逆充電とは単独運転の特殊な状態で逆潮流はなく分散型電源から電力系統側の開放箇所まで電圧だけが印可されている状態なので分散型電源の設置者は未然に防がなければなりません。

選択肢4. 受動的方式の単独運転検出装置とは、分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

この記述は誤りです。文中に平時から変動を与えて単独運転移行時に当該変動に起因して生じる変化とあるので、こちらは能動的方式の説明となります。(意図的に変動を与える)

選択肢5. 能動的方式の単独運転検出装置とは、単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

この記述は誤りです。受動的方式の説明となります。ほとんどの分散型電源設備は天候に左右されるので電圧、位相又は周波数等の変化が起きやすく単独運転状態を検出する装置の設置が義務付けられています。

まとめ

分散型電源の問題の中で「逆潮流」「解列」「単独運転」「自立運転」というワードは重要なので特に重点的に学習する事をお薦め致します。

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02

この問題は、分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義に関する問題で、

正しいものを選択する問題です。

 

対象となる法は、電気設備の技術基準の解釈第220条となっています。

選択肢1. 単独運転とは、分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に無効電力を供給している状態をいう。

誤)線路負荷に無効電力を供給している状態をいう

 

正)線路負荷に有効電力を供給している状態をいう

(電気設備の技術基準の解釈第220条第1項5号より)

選択肢2. 自立運転とは、分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態をいう。

問題文の通りです。

従って、この選択肢が正解となります。

選択肢3. 逆充電とは、分散型電源設置者の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。

誤)分散型電源の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう

 

正)分散型電源の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れは、逆潮流という

(電気設備の技術基準の解釈第220条第1項6号より)

選択肢4. 受動的方式の単独運転検出装置とは、分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

誤)受動的方式の単独運転検出装置とは、分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、

単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

 

正)受動的方式の単独運転検出装置とは、単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

(電気設備の技術基準の解釈第220条第1項10号より)

選択肢5. 能動的方式の単独運転検出装置とは、単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

誤)能動的方式の単独運転検出装置とは、単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、

単独運転状態を検出する装置をいう。

 

正)能動的方式の単独運転検出装置とは、分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、

単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

(電気設備の技術基準の解釈第220条第1項11号より)

 

※受動的方式の単独運転検出装置の説明と、能動的方式の単独運転検出装置の説明が問題文で逆になっていることに注意してください。

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03

この問題は、「電気設備技術基準の解釈」における用語の定義に関する正しい記述を選ぶものです。

選択肢1. 単独運転とは、分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に無効電力を供給している状態をいう。

誤りのある記述です。

線路負荷に「無効電力」ではなく、「有効電力」を供給している状態です。

 

選択肢2. 自立運転とは、分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態をいう。

正しい記述です。

選択肢3. 逆充電とは、分散型電源設置者の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。

謝りのある記述です。

この記述は「逆潮流」を説明したものです。

「逆充電」とは、一般電気事業者及び卸電気事業者以外の者が設置する発電設備等のみが、一般電気事業者が運用する電力系統を加圧し、かつ当該電力系統へ有効電力を供給していない状態のことです。

選択肢4. 受動的方式の単独運転検出装置とは、分散型電源の有効電力出力又は無効電力出力等に平時から変動を与えておき、単独運転移行時に当該変動に起因して生じる周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

誤りのある記述です。

この記述は「能動的方式の単独運転検出装置」を説明したものです。

「受動的方式の単独運転検出装置」は、平時から変動を与えておくのではなく、単独運転移行時に変動を検出する装置です。

選択肢5. 能動的方式の単独運転検出装置とは、単独運転移行時に生じる電圧位相又は周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置をいう。

誤りのある記述です。

この記述は「受動的方式の単独運転検出装置」を説明したものです。

「能動的方式の単独運転検出装置」は、平時から変動を与えておき、発電設備等が単独運転に移行した際に生じる周波数等の変化を検出することで、単独運転状態を検出する装置です。

まとめ

「電気設備技術基準の解釈」に記載されている用語の意味を正しく理解しておきましょう。

単独運転と自立運転、受動的方式と能動的方式などを混同しないように注意してください。

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