第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問3 (理論 問3)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)上期 問3(理論 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

磁気に関する量とその単位記号(SI基本単位及び組立単位による表し方)の組合せとして、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
  • インダクタンス  Wb/A
  • 磁束       V/s
  • 磁界の強さ    A/m
  • 磁気抵抗     H−1
  • 透磁率      H/m

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この過去問の解説 (2件)

01

磁気に関する量とその単位記号に関して、誤っているものを選択する問題です。

選択肢1. インダクタンス  Wb/A

自己インダクタンスの公式から、

 

L[H]=NΦ/I[Wb/A]

 

となります。

※Nは巻数のため、単位には関係ありません

選択肢2. 磁束       V/s

ファラデーの電磁誘導の公式から、

 

ΔΦ[Wb]=−eΔt/N[V·s]

 

となります。

この式は、発生した起電力に時間を掛け合わせることで、どれだけの磁束変化が起こったのかを意味しています。

 

したがって、この選択肢が誤りとなります。

選択肢3. 磁界の強さ    A/m

無限長の直線電流の磁界の公式にから、

 

H[A/m]=I/r[A/m]

 

となります。

選択肢4. 磁気抵抗     H−1

磁気回路のオームの法則と起磁力の公式から、

 

Rm[H-1]=Fm/Φ[A/Wb]=NI/Φ[A/Wb]

 

Rm[H-1]はL[H]=L[Wb/A]の逆数をとっていることを意味しています。

※Nは巻数のため、単位には関係ありません

選択肢5. 透磁率      H/m

磁気抵抗の公式から、

 

μ[H/m]=l/RmS[m/(A/Wb)m2]

 

単位に着目して整理すると、

 

[m]/[A/Wb][m2]=[Wb/A]/[m]=[H/m]

 

となります。

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02

電磁気の問題となります。

磁気に関連する単位記号の誤った組合せを選択する問題です。

ポイントは公式を正しく理解しているかになります。

各それぞれの選択肢を見ていきましょう。

 

 

選択肢1. インダクタンス  Wb/A

インダクタンスと誘導起電力の関係性は以下となります。

・e=-L×(ΔI/Δt)=-N×(ΔΦ/Δt)[V]

上記の式をインダクタンスLについて解くと次のようになります。

・L=NΦ/I[H]=[Wb/A]

磁束鎖交数NΦ[Wb]と電流I[A]の割り算なのでWb/Aという形で表せます。よってこの記述は正しいです。

 

選択肢2. 磁束       V/s

磁束と誘導起電力の関係性は以下となります。

・e=-N×(ΔΦ/Δt)[V]

上記の式を磁束について解くと次のようになります。

・ΔΦ=e×Δt/-N[Wb]=[V・s]

誘導起電力と時間変化のかけ算となりV・sで表せます。よってこの記述は誤りです。

 

選択肢3. 磁界の強さ    A/m

導体やコイルに電流を流した時にその周囲には磁界が生じます。それを表した公式として直線状導体であればH=I/2πr、円形コイルであればH=NI/2rとなっており、単位はいずれも[A/m]となります。よってこの記述は正しいです。

選択肢4. 磁気抵抗     H−1

磁気抵抗Rmの単位はH-1となります。よってこの記述は正しいです。

 

選択肢5. 透磁率      H/m

透磁率とは磁気の透しにくさとなり、単位はH/mとなります。よってこの記述は正しいです。

まとめ

磁気分野の問題では公式が多く、またその成り立ちも理解していないと解けない問題もあるので、公式については重点的に学習される事をお薦めいたします。

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