第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問9 (理論 問9)
問題文

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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)上期 問9(理論 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

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この過去問の解説 (2件)
01
高調波を含む歪み波交流の電力に関する計算問題です。
計算に必要な量記号は、以下の通りです。
基本波電力:P1[W]
第3高調波電力:P3[W]
高調波を含む歪み波の電力:P0[W]
また、問題文で与えられた式を基本波と高調波に分けると以下のようになります。
赤色部分が基本波成分、青色部分が第3高調波部分となります。
高調波を第3高調波としているのは、ωtの前に3がついているためです。
これは、基本波が1サイクルしてくる間に高調波が3サイクルしてくることを表しています。
◆基本波電力を求めます
基本波部分を極座標で表すと、下図のようになります。
問題文で与えられた式にある値はそれぞれ最大値で与えられているので、実効値にするため√2で割った値で極座標にしています。
電圧と電流の位相差は、電流が電圧からπ/6[rad]の遅れとなっています。
電力を求める基本公式から、基本波の電力は
P1=EIcosθ
=(100/√2)✕(20/√2)✕cosπ/6
ここで、π/6[rad]は30[°]なので、三角比から√3/2とできるので、
P1=(100/√2)✕(20/√2)✕cosπ/6
=(100/√2)✕(20/√2)✕(√3/2)
≒866[W]
となります。
◆第3高調波電力を求めます
第3高調波部分を極座標で表すと、下図のようになります。
基本波と同様に、実効値で極座標にしています。
位相差は、電圧が+π/6[rad]の進み、電流が−π/6[rad]の遅れとなっているので、電圧と電流の位相差は電流が電圧からπ/3[rad] の遅れとなっています。
電力を求める基本公式から、第3高調波の電力は
P3=EIcosθ
=(50/√2)✕(10√3/√2)✕cosπ/3
ここで、π/3[rad]は60[°]なので、三角比から1/2とできるので、
P3=(50/√2)✕(10√3/√2)✕cosπ/3
=(50/√2)✕(10√3/√2)✕(1/2)
≒216.5[W]
◆基本波電力と第3高調波電力を足して、高調波を含む歪み波電力を求めます
P0=P1+P3
=866+216.5
=1082.5[W]
≒1.08[kW]
令和5年下期 理論 問9として、値も全く同じ問題が出題されています。
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02
交流回路の問題となります。
・電圧 e=100sinωt+50sin(3ωt-π/6)
・電流i=20sin(ωt-π/6)+10√3sin(3ωt+π/6)
上記の値から電力の値を求めますが、ここでポイントになりますが電圧、電流共に基本波と第3高調波の成分が含まれている事が式からも分かります。なので基本波、高調波のそれぞれの電力を求めた上で、最後に合計した値が解答となります。
それぞれの電力を求めていきましょう。
【基本波】e=100sinωt、i=20sin(ωt-π/6)
P=VIcosθより式は次のようになります。
・P1=(100/√2)×(20/√2)×cos(ωt-π/6)
=50√2×10√2×cos30°
=500×2×(√3/2)≒866[W]
※π/6=30°、cos30°=√3/2
【第3高調波】e=50sin(3ωt-π/6)、i=10√3sin(3ωt+π/6)
P=VIcosθより式は次のようになります。
・P3=(50/√2)×(10√3/√2)×cos(-π/6-π/6)
=25√2×5√6×cos(-2π/6)
=250√3×cos(-π/3)
=250√3×cos60°
=250√3×(1/2)≒216.5[W]
最後に合計します。
・P=P1+P3=866+216.5=1082.5[W]≒1.08[kW]
以上となります。
こちらが適切な解答となります。
第3高調波とは基本周波数の3倍の周波数を持つ正弦波信号を言います。周波数は基本的に東日本が50Hz、西日本が60Hzとなっていますが、その3倍の値となる150~180Hzの周波数成分を含んだ値となるので正弦波の波形を歪ませる原因となります。
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