第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問32 (電力 問10)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和6年度(2024年)上期 問32(電力 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、マーレーループ法に関する記述である。

マーレーループ法はケーブル線路の故障点位置を標定するための方法である。この基本原理は( ア )ブリッジに基づいている。図に示すように、ケーブルAの一箇所においてその導体と遮へい層の間に地絡故障を生じているとする。この場合に故障点の位置標定を行うためには、マーレーループ装置を接続する箇所の逆側端部において、絶縁破壊を起こしたケーブルAと、これに並行する絶縁破壊を起こしていないケーブルBの( イ )どうしを接続して、ブリッジの平衡条件を求める。ケーブル線路長をL、マーレーループ装置を接続した端部側から故障点までの距離をx、ブリッジの全目盛を1000、ブリッジが平衡したときのケーブルAに接続されたブリッジ端子までの目盛の読みをaとしたときに、故障点までの距離xは( ウ )で示される。
なお、この原理上、故障点の地絡抵抗が( エ )ことがよい位置標定精度を得るうえで必要である。
ただし、ケーブルA,Bは同一仕様、かつ、同一長とし、また、マーレーループ装置とケーブルの接続線、及びケーブルどうしの接続線のインピーダンスは無視するものとする。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • ア:ホイートストン  イ:遮へい層  ウ:aL/500     エ:十分低い
  • ア:シェーリング   イ:導体    ウ:2L−(aL/500)  エ:十分高い
  • ア:シェーリング   イ:遮へい層  ウ:2L−(aL/500)  エ:十分高い
  • ア:ホイートストン  イ:導体    ウ:aL/500     エ:十分低い
  • ア:ホイートストン  イ:導体    ウ:aL/500     エ:十分高い

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この過去問の解説 (2件)

01

マーレーループ法による故障点位置標定に関する穴埋め問題です。

選択肢4. ア:ホイートストン  イ:導体    ウ:aL/500     エ:十分低い

(ア)ホイートストン

マーレーループ法は、ホイートストンブリッジの変形原理に基づいた測定方法です。

 

(イ)導体

ホイートストンブリッジの原理を応用しているため、任意の閉回路が必要となります。

したがって、健全相と故障相の導体同士を繋げる必要があります。

 

(ウ)aL/500

問題文で与えられた図をホイートストンブリッジに置き換えると、下図のようになります。

※マーレーループ装置の抵抗をR0、線路側の抵抗をRとしています。

 

 

これをブリッジの平衡条件の公式を元に整理していくと、

 

{(1000-a)/1000}R0✕(x/L)R=(a/1000)R0✕{(2L-x)/L}R

(1000-a)x/1000L=a(2L-x)/1000L

1000x-ax=a2L-ax

1000x=a2L

x=a2L/1000

=aL/500

 

となります。

 

(エ)十分に低い

ホイートストンブリッジの等価回路に地絡抵抗を入れると、下図のようになります。

 

 

地絡抵抗が大きくなるとブリッジの平衡条件に影響を及ぼすことになるので、十分に小さいことが望ましいとなります。

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02

この問題は、マーレーループ法の原理に関するものです。

空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる語句は以下のとおりです。

ア:ホイートストン  イ:導体    ウ:aL/500     エ:十分低い

 

(ア)

マーレーループ法はホイートストンブリッジ回路の原理を応用した方法です。

ブリッジ回路は未知の抵抗値を測定するために使用され、その平衡条件を利用して故障点の位置を特定します。

 

(イ)

故障点の位置を標定するためには、故障したケーブルと健全なケーブルの導体を接続する必要があります。

これは、ブリッジ回路を構成して抵抗比を測定するために行います。

 

(ウ)

故障点までの距離xは、ケーブル線路長をL、ブリッジの全目盛を1000、平衡時の目盛の読みをaとすると、

 x=a/1000 x 2L=aL/500

 

(エ)

故障点の地絡抵抗が十分低いと測定精度は高くなり、地絡抵抗が高いと測定結果に誤差が生じやすくなります。

まとめ

マーレーループ法による故障点位置の標定方法を正しく理解しておきましょう。

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