第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問45 (機械 問3)
問題文
次の文章は、三相の誘導機に関する記述である。
固定子の励磁電流による同期速度の( ア )と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れる。トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので、トルク特性を制御するため、巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと( イ )で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられる。回転子の回転速度が停止(滑りs=1)から同期速度(滑りs=0)の間、すなわち、1>s>0の運転状態では、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は( ウ )となる。回転子の速度が同期速度より高速の場合、磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し、誘導機は( エ )となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
固定子の励磁電流による同期速度の( ア )と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れる。トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので、トルク特性を制御するため、巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと( イ )で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられる。回転子の回転速度が停止(滑りs=1)から同期速度(滑りs=0)の間、すなわち、1>s>0の運転状態では、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は( ウ )となる。回転子の速度が同期速度より高速の場合、磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し、誘導機は( エ )となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和6年度(2024年)上期 問45(機械 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、三相の誘導機に関する記述である。
固定子の励磁電流による同期速度の( ア )と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れる。トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので、トルク特性を制御するため、巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと( イ )で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられる。回転子の回転速度が停止(滑りs=1)から同期速度(滑りs=0)の間、すなわち、1>s>0の運転状態では、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は( ウ )となる。回転子の速度が同期速度より高速の場合、磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し、誘導機は( エ )となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
固定子の励磁電流による同期速度の( ア )と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れる。トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので、トルク特性を制御するため、巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと( イ )で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられる。回転子の回転速度が停止(滑りs=1)から同期速度(滑りs=0)の間、すなわち、1>s>0の運転状態では、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は( ウ )となる。回転子の速度が同期速度より高速の場合、磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し、誘導機は( エ )となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
- ア:交番磁界 イ:スリップリング ウ:電動機 エ:発電機
- ア:交番磁界 イ:整流子 ウ:発電機 エ:電動機
- ア:回転磁界 イ:スリップリング ウ:電動機 エ:発電機
- ア:回転磁界 イ:スリップリング ウ:発電機 エ:電動機
- ア:交番磁界 イ:整流子 ウ:電動機 エ:発電機
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この過去問の解説 (3件)
01
三相誘導機の原理と特性に関する穴埋め問題です。
(ア)回転磁界
三相誘導機は、固定子の励磁電流による同期速度の回転磁界と回転子との速度の差によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れます。
(イ)スリップリング
トルク特性を制御は、巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシとスリップリングで外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられています。
スリップリングは、固定子と回転子の間に設けることで回転動作による配線のもつれや断線することなく電力などを伝送できる部品です。
(ウ)電動機、(エ)発電機
回転子の回転速度が1>s>0の運転状態の時は電動機、回転子の速度が同期速度より高速の時は発電機となります。
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02
三相誘導機に関する問題で各空白箇所の正しい組み合わせを選択する問題です。
誘導機の原理は銅やアルミなどで出来た円筒形導体に磁石を近づけ、その周りで回転させ、磁界を発生させる事により円筒形導体の表面に電流が流れます。この電流と磁界によるフレミング左手の法則の力に従う力が円筒形導体と磁石に加わり同じ向きで回転します。これが誘導機の回転する原理となりますが、実際には磁石を回転させるわけではなく三相交流(3個の電源の位相差がそれぞれ120°異なる)電流を固定子に流す事により、その位相差による磁界が発生します。これを回転磁界と言います。よって( ア )は回転磁界となります。
巻線形誘導機の回転子は円筒形導体の外部に設けられた回転子スロットに絶縁電線を挿入して三相巻線にします。回転子はスリップリングやブラシを通して外部回路に接続できるようになっていて、始動や速度、トルク制御に時に用いられてます。よって( イ )はスリップリングとなります。
すべりとは、誘導機において回転子の回転速度Nが同期速度NSよりも遅い状態の事を言います。
誘導機の始動時は回転子は回転せずN=0となりますが、回転磁界は回転子の周りを速い速度で回転します。その時に誘導起電力がによる電流が生じトルクが発生します。【すべりS=1の状態】
回転子が定常状態となると回転子の速度が速くなると回転磁界との速度差は小さくなり誘導起電力も小さくなりますが電流は生きているのでトルクは発生し続けます。【1>s>0の運転状態】
回転子が回転磁界と同じ速度で回転するとすべりも0となるため誘導起電力は生じません。電流も流れないのでトルクも0となります。(逆の方向にトルクが発生する)【すべりS=0の状態】
誘導機は回転速度Nが同期速度NSよりも遅いときは電動機となり、回転速度Nが同期速度NSよりも早いときは発電機となります。よって( ウ )は電動機、( エ )は発電機となります。
こちが適切な解答となります。
誘導機の場合、同期速度NSが回転速度Nより早くなると電動機から発電機として運転し、そこで発生する電力を電源へ返還し供給する事が出来ます。これを回生制動と呼び電気鉄道、電気自動車などに利用されています。
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03
この問題は、三相誘導機の動作原理に関するものです。
空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる語句は以下のとおりです。
ア:回転磁界 イ:スリップリング ウ:電動機 エ:発電機
固定子の励磁電流による同期速度の(ア:回転磁界)と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れます。トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので、トルク特性を制御するため、巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと(イ:スリップリング)で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられます。回転子の回転速度が停止(滑りs=1)から同期速度(滑りs=0)の間、すなわち、1>s>0の運転状態では、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は(ウ:電動機)となります。回転子の速度が同期速度より高速の場合、磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し、誘導機は(エ:発電機)となります。
三相誘導機は、固定子に三相交流電源を接続することで回転磁界を発生させ、その回転磁界と回転子の速度の差(相対速度)によって回転子に誘導電流を流し、トルクを発生させることで回転運動を行います。
滑りs(slip)は以下の式で表されます。
s = (Ns-Nr)/Ns
Ns:回転磁界の回転速度 Nr:回転子の回転速度
ア:三相交流電源を固定子に接続すると、各相の電流によって磁界が発生し、これらの磁界が合成されて回転する磁界(回転磁界)が生まれます。回転磁界の速度は同期速度とも言われます。
イ:スリップリングは回転子と同軸に回転し、ブラシは外部回路と接続するための接点となります。これにより、回転子巻線の抵抗値を調整することができ、トルク特性を制御できます。
ウ:回転子の回転速度が同期速度より遅い場合(滑りs>0)、回転磁界によって回転子に誘導電流が流れ、回転方向にトルクが発生します。この状態が電動機運転であり、電気エネルギーは機械エネルギーに変換されます。
エ:回転子の回転速度が同期速度より速い場合(滑りs<0)、回転磁界によって回転子に誘導電流が流れ、回転方向とは逆方向にトルクが発生します。この状態が発電機運転であり、機械エネルギーは電気エネルギーに変換されます。
三相誘導機の動作原理を理解し、回転磁界の生成、誘導電流の発生、トルクの発生のメカニズムを把握することが重要です。
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