第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問49 (機械 問7)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和6年度(2024年)上期 問49(機械 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、一般的な電気機器(変圧器、直流機、誘導機、同期機)の共通点に関する記述である。

a  ( ア )と( イ )は、磁束の大きさ一定、電源電圧(交流機では周波数も)一定のとき回転速度の変化でトルクが変化する。
b  一次巻線に負荷電流と励磁電流を重畳して流す( イ )と( ウ )は、特性計算に用いる等価回路がよく似ている。
c  負荷電流が電機子巻線を流れる( ア )と( エ )は、界磁磁束と電機子反作用磁束のベクトル和の磁束に比例する誘導起電力が発生する。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
  • ア:誘導機  イ:直流機  ウ:変圧器  エ:同期機
  • ア:同期機  イ:直流機  ウ:変圧器  エ:誘導機
  • ア:直流機  イ:誘導機  ウ:同期機  エ:変圧器
  • ア:同期機  イ:直流機  ウ:誘導機  エ:変圧器
  • ア:直流機  イ:誘導機  ウ:変圧器  エ:同期機

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この過去問の解説 (2件)

01

変圧器、直流機、誘導機、同期機の共通点に関する穴埋め問題です。

選択肢5. ア:直流機  イ:誘導機  ウ:変圧器  エ:同期機

(ア)直流機、(イ)誘導機、(ウ)変圧器、(エ)同期機

 

この問題は、bの文章から考えていくと分かりやすいです。

bの文章の場合、一次巻線・負荷電流・励磁電流・等価回路といった単語がキーワードとなります。

 

aの文章から考えた場合は、直流機と誘導機の順番が逆にならないように注意が必要です。

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02

電気機器(変圧器、直流機、誘導機、同期機)の共通点に関する問題で正しい組み合わせを選択する問題です。

項目ごとに見ていきます。

 

【a】‥磁束の大きさ一定、電源電圧(交流機では周波数も)一定のとき回転速度の変化でトルクが変化する機器は直流機誘導機になります。直流機は外力でコイルを回転させて起電力を発生させる(フレミング右手の法則)発電機と磁界中でコイルに電流を流しコイルを回転させる(フレミング左手の法則)電動機に分けられ、電動機として用いる場合は回転速度の変化でトルクが変化します。

誘導電動機も交流の電源を利用して、磁界中に置いたコイル中の円筒を回転させる原理となり直流機と同じように回転速度の変化でトルクが変化します。

同期機は固定子に三相電流を流す事で回転磁界を作り出します。なので同期機も回転速度の変化に関わりがありそうですが、誘導機で言うところのすべりが同期機にはないため、回転速度ではなく、同期速度で回転させます。変圧器はそもそも回転しません。

 

【b】‥等価回路がよく似ており、一次巻線に負荷電流と励磁電流を重畳して流すのは誘導機変圧器になります。

誘導機は固定子と回転子で構成され固定子側を一次巻線と考え、そちらには励磁装置も備わっているので励磁電流が流れていきます。回転子側は二次巻線となります。変圧器は電源が接続される回路を一次側、負荷が接続される回路を二次側とします。

 

【c】‥負荷電流が電機子巻線を流れた時に、界磁磁束と電機子反作用磁束のベクトル和の磁束に比例する誘導起電力が発生するのは直流機同期機になります。

直流機は電機子(コイル)に電流を流した時に右ネジの法則の影響により電気子反作用が発生します。誘導機の方は電機子巻線に電流が流れると、三相交流による回転磁界が発生します。この電流による磁束が電機子反作用磁束となり界磁磁束を乱して誘導起電力を変化させます。

 

以上より各空白箇所は以下となります。

( ア )‥直流機

( イ )‥誘導機

( ウ )‥変圧器

( エ )‥同期機

 

選択肢5. ア:直流機  イ:誘導機  ウ:変圧器  エ:同期機

こちらが適切な解答となります。

まとめ

この問題は誘導機と変圧器の等価回路が似ているという知識があるだけでも正解に辿りつけます。

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