第三種電気主任技術者（電験三種） 過去問
令和6年度（2024年）上期
問71 (法規 問7)

正しい選択肢は、「ア：発電電圧　イ：系統側　ウ：地絡過電圧　エ：単独運転」です。

（ア）発電電圧

高圧連系時には、発電設備での異常電圧を検出する必要があります。

「発電電圧の異常上昇や低下」を検出するために、過電圧リレーや不足電圧リレーが使われます。

（イ）系統側

系統側で発生する短絡事故や地絡事故に対応するため、系統側の保護リレーが必要です。

これにより、発電設備や系統を異常から守ることができます。

（ウ）地絡過電圧

地絡事故時には零相電圧が発生します。この異常を検出するために「地絡過電圧リレー」が使用されます。地絡過電圧リレーは、地絡事故の早期検出に有効です。

（エ）単独運転

単独運転は、分散型電源が系統から孤立して動作してしまう現象です。

周波数変化やインピーダンスの変化などを検出し、単独運転を防止するための装置が必要です。

選択肢の組み合わせを比較すると、「ア：発電電圧　イ：系統側　ウ：地絡過電圧　エ：単独運転」が最も適切です。

この問題は、｢逆変換装置を用いて連系する場合｣において、｢逆潮流有りの場合｣の保護リレーの種類と設置場所等に関するものです。

空白箇所（ア）〜（エ）に当てはまるものは以下のとおりです。

ア：発電電圧　　イ：系統側　　ウ：地絡過電圧　　エ：単独運転

（ア）表中の「過電圧リレー」には、電力系統の発電設備における電圧（発電電圧）を常に監視しており、電圧値が異常な上昇を示したことを検知して、警報を出したり遮断機を作動させたりする役割があります。

（イ）系統側：一般送配電事業者（電力会社）が運用・管理している電力ネットワーク全体（送電線・変電所・配電線など）。

これらにおいて短絡事故・地絡事故が発生したときに対応する保護リレーがあります。

（ウ）地絡事故で発生する零相電圧を検出するのが地絡過電圧リレーです。

零相電圧：正常な三相交流回路では各相の電圧の和は０になりますが、地絡事故時はこのバランスが崩れて零相電圧という成分が現れます。

地絡過電圧リレーには、零相電圧が一定の値以上になると地絡事故が発生したと判断して警報を出したり、遮断機を作動させたりする役割があります。

（エ）単独運転とは、電力系統が事故などによって停電した後でも、分散型電源が接続されたまま電力を供給し続けてしまう状態のことです。

単独運転には以下のような危険性があります。

・感電：電力会社の作業員が停電復旧の対応をしているときに分散型電源からの電力によって感電する危険性があります。

・系統再投入時の混乱：電力系統が復旧するときに単独運転中の分散型電源と同期が取れず、系統に悪影響を与える可能性があります。